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自転車運転マナーの悪化

2011年2月3日

 節約志向の高まりやエコブームで自転車を日常的に利用する人が増えている。これにともない自転車と歩行者の接触事故も増えている。警察庁が発表した交通事故の発生状況によると、自転車と歩行者の事故件数はここ10年間で4倍近くにまで跳ね上がっている。社団法人自転車協会の統計では、自転車の保有台数はほぼ横ばいで推移していることから、歩行者が自転車との事故に巻き込まれる確率が高まっている。道路事情や自転車の性能が大きく変化している訳ではないため、事故増加の背景には自転車運転者のマナーの悪化が大きく影響していると考えられる。

 たしかに、通勤時等に自転車の流れを見ていると、無灯火や右側通行、傘を差しながらの運転などはまだ可愛いもので、ヘッドフォンで音楽を聴きながら携帯でメールを打ちつつ、猛スピードで人混みを駆け抜けていく「走る凶器」と化した自転車に遭遇することも珍しくはない。死亡事故や重傷を負わせる事故も発生しており早急な対策が求められるが、自転車専用レーン設置などの道路整備には、時間とコストがかかりすぎるほか、これにより運転マナーが向上するとは考えにくい。取り急ぎの策として、警察による取り締まりの強化に加え、自動車やバイクのように自転車にも保険に強制加入させる制度を作るべきではないだろうか。

 自転車運転の違反と罰則は、「夜間に無灯火で走行」が5万円以下の罰金、「傘を差しての片手運転」が3カ月以下の懲役か5万円以下の罰金、「歩道でベルを鳴らし歩行者をどかす」が2万円以下の罰金など、かなり細かく規定されている。しかし、実際に罰則を受けたという話はほとんど聞かれないし、違反という意識さえ薄いと思う。警察は厳しくこれらの行為を取り締まることで違反だということを運転者に認識させるべきである。また、事故や違反が多い自転車は保険料が高くなったり、保険に加入できず乗れなくなるような自動車保険と同様な保険制度も事故の減少に繋げることができると思う。自分の運転が自己負担額の大小に関わるのであれば、運転に対する意識の変化が期待できるし、万が一、加害者として高額の賠償金が課せられた場合の対応も保険でカバーすることもできる。

 自転車はこれまで長く交通弱者として扱われ甘やかされてきた感があるが、ここまでマナーが悪化し加害者となるケースが増えている現状では、弱者という扱いを改めて考え直す必要がありそうだ。

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