主観客観

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ゴールデンウィークの企業動向にみる空洞化への懸念

2011年5月9日

 東日本大震災からまもなく2カ月が経過する。依然として余震は頻発しており、原発の収束にも至ってないが、今年のゴールデンウィークは久しぶりに「安・近・短」の動きが目立ち、活況を呈した観光スポットも見受けられた。一方で関東地方では急きょ、休みをとりやめて生産を続けた企業も少なくなかったようだ。

 その目的は代替生産や復興需要の増加によるものだけではない。夏季の電力不足による企業活動の停滞を見込んで、事前に動いておこうというものである。その替わり、夏季にはお盆を中心にすでに休暇を長期化させる予定を組んでいる。

 夏季の電力不足に対して政府は電力使用量の15%削減を掲げ、経団連は同25%の削減を掲げてはいるが、いまだ個々の企業では具体的な影響が見えづらく、夏季の電力使用についての明確な見通 しが立てられない状況にある。
 こうしたなかで、夏季の生産を他の期間にシフトする動きは今後も広がる可能性がある。業種や企業規模によって異なるだろうが、夏季には関東地方で予想以上に企業活動が落ち込む恐れがあり、結果的に夏季の節電につながることにはなるだろうが、先行き不透明ゆえのこの動きをもろ手を挙げて歓迎することはできない。

 企業の電力不足への対応、危機管理対応は行政が考えている以上に早い。現在、震災によって生産拠点が西日本や海外にシフトするのではないかとの懸念が募っており、企業マインドの低下から復興への足かせともなりつつある。政府は被災地における生活や企業活動の場としての将来像を大枠から段階的にでも提示をしていかなければ、空洞化に歯止めがかからない事態に陥ることも考えられる。

 行政や大企業には、復興後の日本の姿を示し、リードしていく責任がある。そして雇用や消費面などで地域を支える多くの中小企業も、その一翼として活躍していける社会となることが重要である。
 私も微力ながら自分の足元、地域からその担い手として寄与していけるように取り組みたい。

(大和)


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