主観客観

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継続的な支援を

2011年5月9日

 ゴールデンウィークには大勢の方がボランティアとして東日本大震災の被災地へ支援に向かった。ボランティアのバスツアーなどに申し込む方も多く、宮城県災害ボランティアセンターによると、延べ4万人を超える人々が活動し、復旧・復興作業の大きな一助となっている。復興までにはまだまだ時間がかかり、継続的な支援が重要だが、今後懸念されるのは、ゴールデンウィーク後に仕事や学校が始まることなどによるボランティアの激減だ。

 最近、企業では「ボランティア休暇」の導入が増えてきている。ボランティア休暇とは、企業が従業員のボランティア活動への積極的参加を支援するため、有給休暇を認める制度のことで、1995年の阪神・淡路大震災後に導入する企業が増えたが、厚生労働省が発表した「平成19年就労条件総合調査結果の概況」によると、企業がボランティア休暇制度を導入している割合は全体で2.8%にとどまった。企業の規模が大きいほど割合が高いが、従業員1,000人以上の企業でも約2割で、現状としてこの制度を導入している企業は少ない。今後は制度の普及により、ボランティアに参加しやすい環境作りが望まれる。

 また、現在はボランティアへの参加のハードルが高い。今までボランティアをしたことのない人にとっては、受け入れ先を探し、被災地に迷惑をかけないよう長靴やマスク、食料など装備を整えるなど事前準備も多く、参加するにはかなり勇気がいるだろう。国や自治体が主導して今後もボランティアを募集して多くの人を集団で派遣する制度を構築し、周知していくなど、参加のためのハードルを下げる取り組みも大切だ。さらに、ゴールデンウィーク時には急増したボランティアの受け入れ態勢が整わず、受け入れを中止した地域もあり、受け入れ制度の充実も求められている。

 ボランティアに行きたいという気持ちと、ボランティアに来てほしいという気持ちをうまくマッチさせて支援を続けていく制度作りが、国や自治体、企業などに求められている。日本全体でこの度の震災を風化させず、被災地の復旧・復興に力を合わせて継続的に取り組んでいきたい。

(撫子)


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