主観客観

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インターネットとのつきあい方

2011年5月9日

 世界最大級の個人情報流出事件とその対応について大きな波紋が広がっている。
 インターネット社会では個人情報が流出した場合、流出したユーザーにとっては流出した事実が問題であって誰がその行為を行ったかという議論はあまり重要とされない。たとえ、流出が外部の悪意のある第三者(クラッカー)により引き起こされた事件であっても、ユーザーにとっては適切なセキュリティを整えず情報を流出させた企業が直接的な加害者と認識されるためである。

 情報流出などの事件や事故が起こった際、ユーザーが企業に求める情報は、企業が現状把握している情報の開示と再発防止策など今後の対応、そして、被害者に対する補償についてである。意図的に被害を与えることを目的に犯罪行為を行うクラッカーに対し企業が毅然とした対応をとることは重要だが、被害実体や補償についての情報開示が不十分ななか、犯人捜しに躍起になっているとユーザーに判断されることは、企業に対する信頼度を長期にわたって失う結果に繋がる。

 最近発生した事件では、被害を把握してからユーザーに対し情報を開示することが遅れたことや、初期のアナウンスがblogで行われるなど、情報公開が消極的であったことが大きな問題となった。さらに、事件の要因の一つとして、ハッカー社会との衝突があったとされている。

 インターネットでは、twitterやblogなど既存のメディアに匹敵するレベルで個人が自由に発言できる環境が備わっている。これらの新しいメディアで比較的大きな影響力を持っているのは、インターネットサービスやメディアの技術向上を担ってきた、有名無名のハッカー達である。
 ハッカーの多くは既存の技術を打ち破るイノベーションを常に模索している。なかでも、誰もが開発に関われるオープンソース関連の開発はハッカーが最も積極的に開発を行ってきた分野の一つである。そのなかで生まれた技術やサービスは多数あるが、あえて挙げればLinuxやOpenOffice、ApacheといったOSやソフトにとどまらず、開発言語であるJavaやPHP、Rubyなど、どれもが我々の利用するインターネットの基盤を支えている技術である。そのため、ハッカーは互いが生み出した技術やサービスを尊敬し、向上させることにおいて大きな連帯感を持っている一方、情報がブラックボックス化されることを極度に嫌う傾向がある。また、比較的情報リテラシーの高い、インターネットユーザーのなかでは、技術発展を担ってきたハッカーを尊敬し、その発言や行動に大きな影響を受けている者も多い。こういった背景の理解が不十分な状況で、ハッカーと対峙することはインターネットビジネスを行う上で大きなハンデを背負うことになる。

 ビジネスにはビジネスの特徴があるように、インターネットにはインターネットの特徴がある。インターネットを利用したビジネスをスムーズに行う為にはインターネットの歴史的背景や、ハッカーやユーザーなどの志向や傾向を十分に理解し行動することが重要である。

(きりん)


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