主観客観

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おこないになって、はじめて見える?

2011年7月5日

 最近、ACジャパンのテレビCMが気に掛かっている。不謹慎との批判が巻き起こった震災当初のCMではない。現在放送されている「思いやり編」のCMである。

 「あたたかいこころも、やさしい思いも、おこないになって、はじめて見える(一部省略)」というものだ。震災後の復旧・復興への主体的な手助けをはじめ、各種のサポートや協力などへの行動を促したCMだが、この原文となった詩にこのとおりの表現はない。

 思いを行動に移すことにはなんの異論もない。しかし、このフレーズは目に見えるものだけを良しとする、それのみを尊ぶような考え方、やや踏み込んで言えば物質主義的な考え方を加速させることにもつながりはしないか。

 グローバルな競争社会にあって、古来、日本人が培ってきた精神性のみを尊重すべきだとは思わない。ただ、自然崇拝や仏教伝来、神仏習合、武士道、明治維新等のなかで、ほかの国にはない日本人が独自に醸成してきたものを大事にしたいとも思う。
 表現へのちょっとした違和感ではあるが、今回のCMで言葉の重みを再認識するきっかけとなった方も少なくないのではないだろうか。

 なお、引用されている詩のタイトルは、昭和63年頃の子供のいじめが社会問題となったことなどを背景としてつくられた「行為の意味 〜青春前期のきみたちに」というものである。
 原文は「あたたかい心があたたかい行為になり、やさしい思いがやさしい行為になるとき、心も思いも初めて美しく生きる(一部省略)」となっている。

(大和)


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