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「押し買い」にご注意を

2011年9月5日

 金の価格が高騰している。株式会社東京工業品取引所の先物価格をみると、1グラム当たり4,525円(2012年6月決済物、9月2日終値)で、5年前の約2倍、10年前の約4倍の水準となった。これに目を付けた悪質な買い取り業者による「押し買い」の被害が増加している。

 「押し買い」とは、業者が家に押しかけ、貴金属などを相場を大きく下回る安値で強引に買い取ってしまうというものだ。買い取り価格が妥当かどうか比較検討できないまま契約させられる事が多く、執拗な勧誘や半ば脅すように買い取りを迫る業者もいるという。独立行政法人国民生活センターの集計によると、金やプラチナなどの貴金属を使ったアクセサリーや和服などの商品を買い取るサービスに関する相談件数は2010年度に入ってから急増している。契約者は60歳代以上が最も多く、2010年度の平均年齢は63.8歳で、性別は女性の割合が高い。長時間自宅にいる人が被害に遭いやすい。

 業者に渡った貴金属を取り戻すことは困難だ。「押し買い」の場合、消費者が業者に売却しているため特定商取引法に定める訪問販売に該当せず、クーリング・オフの適用が難しい。また、業者に「すでに金属を溶かしてしまった」と言われるケースや、買い取りの際に解約返品ができない旨が記載された書類にサインしていることも少なくない。

 国民生活センターも注意を呼びかけており、3つの対策を提示している。「買い取ってもらうつもりがないなら毅然と断ること」、「一人で業者に対応するのは避けること」、「相手がどのような業者なのかを確認すること」だ。断っても業者が強引で恐怖を感じた場合は、時間が経つと取り戻せない場合が多いので、その場で警察に連絡する必要がある。

 「押し買い」の被害や対策について知っていることが、自衛の第一歩だ。親戚や、近所の人たちへの「気を付けて」の一言が大切だと思う。知っていれば多少なりとも落ち着いて対処でき、突然の訪問で業者のペースに乗せられ、不本意な売却をしてしまう可能性が低下するだろう。加えて、悪徳業者から消費者を守れるよう、適切な法整備や取り締まりの強化など国や自治体の対応が必要だ。

 また、「押し買い」だけでなく、「押し売り」、最近では地デジ関係や震災関連の点検商法など、悪質な業者は後を絶たない。手を変え、品を変え消費者を騙して利益を得ようとしている。再三言われていることではあるが、消費者自身がそういった詐欺に注意し、万が一遭遇した場合は冷静に対応することを心がけたい。

(撫子)


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