主観客観

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ステルスマーケティングから考える情報の意味

2012年1月11日

 ステルスマーケティングとは消費者に宣伝と気付かれないように宣伝行為を行うマーケティングのことである。インターネット上では通常ステマと略されて使用されている。

 2012年1月5日、消費者庁は飲食店のランキングサイト「食べログ」における「やらせ業者」発覚をうけ、景品表示法(不当表示)に抵触する可能性がないか情報収集などの調査を始めた。同サイトの月間利用者数は3,251万人(2011年12月末現在)で、飲食店を利用したユーザーの口コミを基に飲食店の人気ランキングを掲載している。このため同サービスで上位にランキングされることは飲食店にとって売り上げを大きく左右する存在となっている。問題となった「やらせ」はマーケティング業者などが、飲食店に対し「食べログ」のランキングを上昇させることを目的に口コミ情報の登録を有料で行っていたことであった。「食べログ」を運営する価格コムによると不正を行っていた業者数は2011年12月時点で39社を把握しており、現在は業者に対する警告や恣意的なランキング操作を排除するためのアルゴリズムの変更を行ったとしている。

 古参のインターネットユーザーの間では、インターネット上の巨大掲示板に対する投稿や検索エンジンの検索結果を利用した口コミマーケティングなどを悪用し商品やサービスに対する恣意的な情報提供を行うステマが存在していることは古くから知られていた。
 しかし、この手の問題はインターネットが広く利用される前から存在している。従来から一部で行われていた新製品の販売や新装開店でサクラを使うことや、やらせが発覚したタウンミーティングなどによる世論形成なども広義ではステマに当たるといえよう。

 今回の問題は、我々が商品やサービスの購入時にランキングや口コミを大きな指標としていることの証左になったのではないだろうか。口コミやランキングといった情報の収集はインターネットが広く利用される前は、多くの手間と費用を費やし専門誌などのメディアがサービスとして提供していた。しかし、インターネットの出現により大量の情報を収集、集計しランキングを作成することができるようになり多くのサービスが短期間に誕生した。そして、多くの人が自分の嗜好にあった情報の取得をインターネットで行うようになっていた。そんななかで、自分たちが信じている指標がステマによって不正に作成されていたことが明るみとなり、大きなショックとして認識された。
 しかし、先ほども述べたようにインターネットが存在する前からステマは存在している。今回の問題は我々に、「情報は恣意的に作られたり、間違いがある可能性がある」と疑ったうえで利用する重要性を投げかけているのではないだろうか。
 なお、ステマの多くは短期的には成功することはあるかもしれないが、多くは発覚しサービスや商品のブランドを長期的に大きく落とすことにつながる例が多い。優良な情報の醸成には手間と費用をいとわないことが重要であろう。

(きりん)


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