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錦織選手は強くなる

2012年2月3日

 先日、テニスの錦織圭選手が全豪オープンでベスト8まで勝ち上がり、大きな話題となった。私はその後の記者会見での彼のある言葉に新鮮な驚きと共感を覚えた。
 それは、ベスト8進出や世界ランキングがトップ20に入った喜びの声ではない。これからのトップ選手との闘いに対する課題について問われたとき、彼は「強い体をつくる」と言ったのだ。

 今年はロンドン夏季五輪が開催され、日本人選手の活躍も期待されるが、日本人選手からよくでてくる言葉に、外国人選手に「力ではかなわない」「体格ではかなわない」というのがある。そして「テクニックを磨く」「スピードを生かす」「戦術で勝負する」と言う。

 この日本人が多用する使い勝手のよい言葉の深層には、最初から体力ではかなわないというどこか負け犬根性のようなものが日本人に染みついてしまっているのではないかと感じる。そして、体のしっかりした外国人に対して恐れのようなものを抱くとともに、外国人、特にアジアを除く欧米やアフリカの人たちを頭のどこかで「彼らは体だけ」というように軽視しているようにも思える。
 彼らの体力は決して生まれつきのものではない。ハードトレーニングを重ねて培ったものである。それも科学的な裏付けのある理論的なトレーニングであり、その取り組みはテクニックやスピード、メンタルを磨くことにおいても同等、もしくはそれ以上に行われている。 日本人はテクニックやスピードを土俵とすることで勝機が見いだせるというのなら、それはあまりに甘い考えと言わざるを得ない。

 アメリカで成長してきた錦織選手のように、外国人のさまざまな努力に間近で接してきた人々は、体力、テクニック、スピード、メンタルなどいずれの要素でも自らの努力が勝敗を分けると知っている。
 勝負する前から課題に目を背けて努力を怠るような都合のよい言い訳はしない。錦織選手はきっと強くなるだろう。

 スポーツの分野だけでなく、政治や経済などでも、これから錦織選手のような日本人が増えていくことで、日本は世界の舞台で真正面から外国と渡り合っていける強い国に成長していけると思う。かくいう私もその日本人のはしくれとして、努力していきたい。

(大和)


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