主観客観

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勢いのある企業

2012年3月5日

 企業が経営施策の一つとして必ず挙げるのが「経費節減」。売り上げの拡大を狙うとともに、厳しい景況感が続くなか、経費節減はどの企業でも取り組まれていることと思う。四半期毎に行われている東京都の各区における中小企業の景況感調査でも、ほとんどの業種で「経費節減」が重点経営施策の第1位として挙げられていた。外に打って出るより内向きの施策をしている傾向にある。

 「経費節減」の取り組み例としては「外注業者の見直しや内製化」「人材育成のスピード向上」などがある。しかし、節減による効果以上の原材料の高騰などにより、資金繰りが悪化している企業も少なくない。またこの景況感調査では「今後、消費税率が上昇したら、価格に増税分を上乗せできないのでさらに利幅が縮小してしまう」(飲食料品小売)といった声もみられた。

 しかし、業況が厳しい現在でも業績の良い企業は少なからずある。そのような企業を探してみると、ある共通項がみられた。それは販路拡大などの積極的な外向けの販売戦略である。
 行われている施策をみてみると、「競合店の少ないテリトリーを狙っての店舗展開。その土地にとっての新業態となり新たなニーズを開拓」(各種商品小売)、「下請けだけでなく、自治会やマンション組合などへ地道に営業をすることで、改装案件を元請けで受注」(建設)、「工業用を主に扱っていたが、福祉関連へ進出。高付加価値の商品を開発し、官公庁や住宅向けのニーズを取り込む」(昇降機製造)など、入念なマーケティングにもとづいた積極的な取り組みがみられた。もちろん、これらの企業も経費節減に努めてはいるが、そのほかに、新たに自信を持って打ち出した一手があり、企業に勢いがみられた。

 経費節減は利益率の改善はみられるかもしれないが、増収には直接的に結びつかないケースが多い。現販売先の確保を狙っても、販売先からの受注が減るなどの可能性から、売り上げが漸減傾向になる恐れは十分にある。円高や原発事故による影響、欧米景気など、一企業の働きだけではとうてい太刀打ちできない事象もある。このご時世、リスクをともなう積極性には腰が引けるかもしれないが、引いているだけでは前に進めない。
 いままでも、原油・素材高、リーマン・ショックなどに日本の企業はもまれてきた。しかしこの時期を切り抜けるための企業姿勢の差は、少しずつ業績という数字に現れてきている。勢いのある企業には、それなりの根拠がある。いまもし腰が引けている企業があるなら、勢いのある企業の研究やマネからはじめてみてはいかがだろうか。

(小夏)


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