主観客観

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スポーツイベントと経済波及効果と希望と

2012年4月4日

 2012年は4年に一度の夏季オリンピックがある。今度はロンドンで7月27から8月12まで開催され、26競技が行われる。ちなみに、ロンドンでの夏季オリンピックは3度目(1908年、1948年、2012年)だが、日本は今回が初参加となる。

 このようなイベントが開催されるとき、さまざまな機関からイベントに対する経済波及効果が発表される。3月28日には電通からロンドンオリンピックにおける日本国内の直接的な消費支出額は3,687億円、最終的な経済波及効果は8,037億円になるとの試算結果が公表された。また、東北地域には418億円の波及効果が及ぶとしている。

 とはいえ、そもそも何のためにこのような試算をするのか疑問に感じられる方も多いのではないだろうか。経済波及効果を試算するのにはいくつか理由がある。まず、第一に、経済波及効果○○億円といった経済全体に与える影響を量的に把握することができる。第二に、自治体や官公庁の政策形成や財政政策の判断材料に活用できる。第三に、どの産業分野にどの程度の影響が及ぶのかを推計することにより、新たなビジネスチャンス領域を明らかにすることができる。第四に、投入した費用に対してどの程度の便益(ベネフィット)が得られるのかを調べ、費用対効果を明らかにすることが可能となる。そして第五に、社会全体を盛り上げて人びとの気分を明るくすることにも寄与できることである。

 このようなイベント時にはさまざまなアイデア商品がヒットする。たとえば、サッカーの2006FIFAワールドカップドイツ大会では、W杯に関連するとみられる企業の銘柄を集めた金融商品、ドイツの試合会場がある土地のブドウで作られたワイン、あるいは出場国がどこにあるのかわかる地球儀など、人気を博した商品も多くみられた。今回のロンドンオリンピックではどんなヒット商品が誕生するだろうか。イギリスではオリンピック開催を盛り上げようと同国ブランドの海外発信に力を入れている。私は英国ブランドのスーツを新調した。服飾品小売業界にわずかながらお金を落としたかたちだが、これにより運輸、卸売、繊維、貿易サービスなど関連するさまざまな産業に波及することになると考えると、着る楽しみが一段と増してくる。

 東日本大震災後に行われたスポーツ(プロスポーツや企業スポーツ、地域スポーツや運動会など)は、震災で傷ついた多くの人の心を癒し、未来に向けた夢と勇気と希望を提供してきた。そして2012年ロンドンオリンピックは震災後に行われる最も大きなメガスポーツイベントである。次々と代表選手・チームが決定しているなか、本大会で精一杯持てる力を発揮して欲しいと願ってやまない。

(撞球者)


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