主観客観

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未来に備える材料としてのTDB景気動向調査
〜売り上げDIからみえるもの〜

2012年4月4日

 私事で恐縮ですが、4月から人事異動で景気業務から離れることとなりました。本コラムではICT(情報通信技術)やWEB関連を中心に執筆させていただきました。
 今回は私の景気業務の締めくくりとして景気DI以外の指標についてご案内させていただきます。

 TDB景気動向調査で同時に発表している前年同月比の売り上げDI(50を判断の分かれ目として50を超えれば増加)について、震災のあった2011年3月から8月までの6カ月(以下、「震災を含む半年」)と震災前の6カ月(2010年9月から2011年2月まで。以下、「震災前半年」)を比較しました。

 「震災を含む半年」の全業種平均DIは43.0でした。「震災前半年」が46.6だったので、震災によるサプライチェーンの混乱や電力不足による節電などで景気が大きく後退したことが見て取れます。これを全産業51業種別でみると、「震災を含む半年」の売り上げDIが「震災前半年」を下回った業種は43業種となり、幅広い業種で前年同月比の売り上げを下回ったことが確認できました。一方、同時期の売り上げが増加した業種は7業種、横ばいの業種は1業種確認できました。
 売り上げDIが最も大きく悪化した業種は上から放送、輸送用機械・器具製造、電気・ガス・水道・熱供給、旅館・ホテルとなっており、震災によりサプライチェーンが混乱した自動車産業や節電、放射能汚染、風評被害やテレビCMの自粛などで需要が落ち込んだ業種が確認できます。一方、同時期に改善した業種は、人材派遣・紹介、医薬品・日用雑貨品小売、飲食料品・飼料製造となりました。震災による不安や備えから食料品や医薬品など一部では買い占めが問題となった小売や、インフラなどの急な復旧作業で需要が増加した人材派遣などで売り上げが伸びたことが見て取れます。
 では、「震災を含む半年」以降の6カ月(2011年9月から2012年2月)との比較はどうでしょうか。全業種平均DIは45.9と大幅に回復しました。51業種別では45業種が改善し、6業種が悪化しました。大きく改善したのは上から、旅館・ホテル、輸送用機械・器具製造、自動車・同部品小売といった震災により大きく悪化した業種が急回復していることが確認できました。一方、再生資源卸売、電気機械製造、精密機械、医療機械・器具製造などは悪化しました。これらは原材料高や円高、地デジ需要の反動があった業種でした。悪化した6業種中5業種が製造、卸売であり輸出産業を中心に「震災を含む半年」よりも売り上げが厳しい状況にある業種があることがうかがえました。

 DIを確認するということは現状を把握することや過去の検証を行い、未来の予測に役立つものです。TDB景気動向調査が皆様の経営や意思決定の材料としてお役にたてることを心から願うとともに、今後ともTDB景気動向調査へのご協力をよろしくお願いいたします。

(麒麟)


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