主観客観

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求められる農業の活性化

2012年5月7日

 総務省家計調査(2人以上の世帯)によると、2011年の食料への支出は87万2,802円(前年比1.4%減)となった。そのなかで、米が前年比4.1%減の2万7,428円、パンは同0.5%増の2万8,318円となり、パンの支出額が初めて米の支出額を上回った。また、コンビニやスーパーなどで販売している弁当への支出は同3.5%増の1万3,350円と過去最高を更新し、おにぎりなども含めた調理食品は同3.3%増の2万5,994円となった。共働き世帯の増加や世帯構成の変化を背景に、家庭で米を買って自宅で炊くことから、パンや弁当、調理済みの食品など手軽に食べられるものへシフトしている様子がうかがえる。

 米と密接にかかわっているのは農業だ。日本では人口減少や高齢化の進行による市場の縮小に加え、消費者のニーズは変化しており、日本の農業もそれに合わせて変革していかなくてはならない。赤字を補填するような補助金に頼るのではなく、さまざまな工夫により強化するべきだ。その工夫の一つに「6次産業化」がある。「6次産業化」とは、第1次産業である農業が農産物を生産するだけでなく、それを加工し販売する第2次産業、第3次産業まで視野に入れた事業展開をすることにより、農業者が多くの利益に関われる仕組みを作り、経営基盤を強化するというものだ。商品の付加価値を高めることで、ブランド化を図ることも可能で、農業の活性化と地元雇用などを通じて地域の活性化につながることが期待できる。

 ただし、「6次産業化」は商品のブランド化やマーケティングなどのノウハウを持つ人材の確保や初期投資の費用負担などの課題がある。それらを後押しするために2011年3月に「六次産業化法」が施行された。事業活動に関する計画の認定を受ければ、低利の短期運転資金の貸付け、新商品開発・販路開拓等や加工・販売等施設整備に対する補助などの支援を受けられる。さらに全都道府県に「6次産業化」のプランナーが配置され、総合的なサポートを行う。

 農林水産省は、6次産業の市場規模を現在の1兆円から5年後には3兆円、10年後には10兆円に拡大させる目標を掲げている。そのためには、農業に携わる人々の意欲を高め、価値を高めていくにはどうすればよいのか、官民ともに知恵を出し合うことが不可欠だ。また、農地利用の規制緩和など、民間企業がより参入しやすい環境整備も必要である。

 日本での市場は人口減にともない縮小が見込まれるが、顧客は日本だけではない。世界人口は増加しており、世界人口が増加するのに比例して顧客は増えている。世界にも目を向け、積極的に進出するべきだ。国際競争力を高め、市場規模を拡大し、農業の活性化、地域活性化、ひいては日本の活性化につなげていきたい。

(撫子)


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