主観客観

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スピードが求められる若者失業対策

2012年10月3日

 世界銀行は10月1日公表した「世界開発報告」で、欧州危機などによる世界経済の回復の遅れから、失業者数が世界で約2億人に上り、特に25歳未満の若者が4割弱の7,500万人を占めているとした。日本でも総務省が9月28日に発表した「労働力調査」で、8月の完全失業者数は277万人、完全失業率は全体では4.2%なのに対し、15〜24歳では7.8%、完全失業者数は42万人と失業者数に特に若者の失業率が高い。

 前回の特別企画「人材の多様性に関する企業の意識調査」で企業の皆さまからお寄せ頂いた声には、「基本的に新卒採用から教育、指導を繰り返し一人前に育て、育つことを原則として、教育、共育スキームを構築している。厳しい経営環境のなかでも新規採用、若年者の採用を最優先し、雇用を維持していくことが社会貢献、地域貢献の第一と考えている」(建設、京都)など、若者を採用し、育てていこうという声がみられる一方で、「高齢者の再雇用希望者の受け入れ義務化にともなう若年層へのしわ寄せが懸念される。社内での年齢別構成が逆ピラミッド型になり活力が低下する」(機械・器具卸売、東京)、「少数精鋭を方針としており、外国人や高齢者よりも女性や若者の正規雇用社員を育てていき戦力化していく予定。しかし、確かに外国人の方がハングリーで積極性があるため、今のゆとり教育で育った若者たちが雇用市場から駆逐されていく可能性が高そうだ。学校で競争を教えず、いきなり社会に出たら外国人や高齢者との競争である」(繊維・繊維製品・服飾品卸売、大阪)など、法律の問題や外国人との競争や若年者に対する教育の問題を指摘する声も挙がった。

 仕事を選びすぎる、忍耐力がないなど、若者自身の問題との指摘もあるものの、若者の雇用を抑制されかねない法律や、世界のみならず日本社会でさえ通用する人材を育てられない教育制度、そもそも雇用が少ないなど、個人の就職に対する努力だけでは対応できない構造もある。さまざまなしがらみなどにより、これらの問題に関する改革は進んでいないが、改革が遅れれば遅れるほど、職に就けない若者が量産され、年齢も上昇していくため、問題は大きくなり解決が難しくなるだろう。企業を取り巻く環境の厳しさが続くなか、企業に雇用を求めるだけでは、企業負担がさらに増し、悪循環が続いてしまう。日本の構造を変えていく必要があり、改革にはスピードが必要だ。

(撫子)


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