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企業の設備投資のトレンド

2012年10月3日

 9月上旬に、弊社が全国3万社に対して実施した「拠点整備に関する投資意向調査」(2012年6月〜7月実施)の結果を発表した。
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k120901.html )。
 この調査結果をあらためて眺めて感じた点が2つあった。

 1つは、厳しい事業環境であっても拠点整備に対する企業の意識は底堅いのではということだ。今回「新たな拠点整備の計画もしくは可能性がある」企業は、全体の15.0%。一方、弊社が以前に実施した過去2回の類似調査によると、同様の設問にて2009年12月は14.3%、2010年12月は15.9%となっている。調査を実施した母集団や調査規模が異なるため正確な比較にはならないが、2010年の調査以降、東日本大震災の発生や円高の進行など、企業にとって厳しい環境であったにも関わらず、拠点整備の計画を持つ企業の割合に極端な落ち込みがなかったことは意外だった。

 もう1つは、海外での拠点整備に関する変化だ。
 今回調査で発表した施設別の検討地域ランキングでは、「工場」を検討している企業の立地先として回答のあった海外の国・地域は、1位がタイで24.1%、2位が中国で19.0%。
 しかし、今回の結果で得られたタイと中国の結果は、過去の類似調査の結果と大きな違いがあること気が付いた。2011年3月に日本貿易振興機構が発表した「平成23年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、「生産機能」を海外で拡充する場合の国・地域は、1位の中国(32.5%)が2位のタイ(12.1%)を大きく引き離す結果であった。また弊社が2010年12月に実施した調査でも、日本貿易振興機構と同様の傾向(中国51.3%、タイ25.2%)で、タイが首位となった今回の調査とは大きく異なる結果となっている。

 企業の拠点整備計画は、方向性の違いこそあれ必要な新陳代謝のように、常に一定の割合が存在するということなのかもしれない。
 海外の生産拠点整備については、賃金上昇や労働情勢の悪化をたどる中国の状況を踏まえつつ、インド、広くは中東までの巨大市場を見据え、中国とそれ以外の拠点配置(チャイナプラスワン)を積極的に検討し始めた可能性もある。
 上記は現時点ではいずれも単なる推測の域を出ない。また、調査後かつてないほど隣国との関係の緊張が高まっており、海外への拠点整備のトレンドが大きく変わる可能性がある。
 今回の調査結果の分析や追加調査により、引き続き拠点整備のトレンドを追いかけていきたい。

(蔵)


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