主観客観

最新調査結果はこちら

新たなイベントの出現

2012年11月5日

 10月下旬の夜。東京・六本木にて地下鉄に乗ろうと駅に向かったところ、口から血を流している人が目の前に出現!それも一人や二人ではない。よく辺りを見回してみると、ほかにもあえて不健康そうな化粧を施した女性や、首から上がビール瓶のように見えるかぶり物をした男性などそれぞれが意匠を凝らした格好をしている。そう、ハロウィン仮装であった。まだ、当日でないにも関わらず、ずいぶんな盛り上がりようである。仮装に関する商品も多く出回っているようだ。もちろん、ハロウィン当日の10月31日にも多くの人が仮装を楽しんでいた。

 話変わって、毎年11月の第3木曜日はなんの日かご存知であろうか。ボジョレーヌーボーの解禁日である。ボジョレーヌーボーとはフランスのブルゴーニュ地方のなかにあるボジョレー地区にて収穫されたブドウによるワインである。実はブドウの品種も法律で決められている。その年に収穫されたブドウのため、熟成期間が短く、飲みやすさが特徴とのこと。日本では、百貨店などの小売店で「予約受付中」というポスターが掲げられるなど、ボジョレーヌーボーを心待ちにしているファンも多い。なかには解禁日の午前0時ちょうどにカウントダウンをする飲食店もある。かく言う私も、毎年11月にはボジョレーを口にする。大したワイン好きでもないが、一種のイベントとなっている。

 秋にあるこれらのイベントは、伝統的に行われていたものではなく、後発のものであり、元来それらのイベントが持つ意味とはかけ離れた日本独自の形態をしている。イベント参加者の大半が元の意味を知っているとは思えないが、仮装や解禁日という、日常ではあまりない事象に消費者は心を躍らす。そこには企業の思惑が隠れているには違いなく、ボジョレーヌーボーに到っては全輸出量の四分の一が日本に来ており、最大の輸入国となっているという。
 このようなイベントは実際自分には特に関係がないにもかかわらず、何かしらの形で参加をした方が「良い」というような感覚を植え付けられている。クリスマスなどは典型的な例であろう。そして、元の意味など自分たちにとって大きな意味を持たないことを消費者は知っている。参加して楽しむことに意義を見出しているのだ。ハロウィンとボジョレーヌーボーもゆくゆくはそのようなイベントになっていくのだろうか。この2つのイベントは、企業が新たな商機を掘り起こしている例である。自社でキャンペーンをはれる大企業とは異なり、プロモーション活動に大きな投資はできない中小企業でも、掘り起こされつつある商機への早めの対応は今後の事業創出のカギとなるであろう。

(小夏)


今月のトピックス・主観客観に戻る
最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.