主観客観

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肌で感じる人びとの勢い <中国>

2012年12月5日

 いままで何度かこの主観客観にも書かせて頂いたが、とうとう念願であった中国・北京に行ってきた。中国通の方から、「中国は著しいスピートで変革しているため、いつ行っても同じということがない」と聞いたことがある。欲を言えば北京オリンピック前に行っておくべきだったと今になって思うが、兎にも角にも、今年こそは行こうと前々から計画を練っていたところに、日中間に緊張が走った。渡航をやめた方が良いという話もあったが、とりあえずはと乗り込んできた。

 北京の市街地はオリンピック前の大型工事により道路事情は大きく改善されたとはいえ、どこに移動するにも混雑・渋滞は当たり前である。隙あれば車線変更を行い、少しでも前に行こうとするドライバー。バスや電車では少しでも早く車両に乗り込み、座席や立つスペースを確保する乗客。ピーク時を超えればそこまで渋滞は顕著ではないが、これらは日常の光景である。私はバスで大通りを平日の夕方通ったら、500メートルほど進むのに20分かかった。
 北京市では車両の渋滞緩和のために、自動車購入規制を行っている。自動車購入時のナンバー公布を受ける権利は抽選で獲得する。当選率は低く、今も100万人を優に超える市民が購入を待っている状態だという。また、平日はナンバー別に走行規制もされており、例えば月曜日には自動車ナンバーの末尾3と8は走ってはいけないなどルールが定められており、取り締まりも行われている。
 これらの交通渋滞・規制は、通勤・通学などをはじめ生活に支障を及ぼしているとみられるが、それでも北京市民はこの環境に順応し、たくましく生活しているのである。

 交通という面でも、中国人の勢いは強く、自己主張をはっきりとする姿や自信をのぞかせる姿は、日本人の持つ一般的なものとは異なる部分もある。しかし、これはそうでもしなくては生活していけないという事情がある部分は大きいのだろう。交通面以外にも、いくつかの場面に遭遇したが、足元の不安定さを感じる面もあるものの、人びとは前をまっすぐに捉えている印象を持った。成長率などの統計情報とは別に、人びとの勢いを感じられたのは大きな経験であった。

 日本人のように人びとがある程度満足するレベルに達してしまい、成長が鈍化している環境に浸かってしまえば、中国人の勢いにはますます追いつけなくなるだろう。日本は現状の生活にある程度満足してしまい、慢心してはいないだろうか、もしくは成長を望めない社会になってはしないだろうかと、中国人の明日の生活を求める力強さに、日本の将来不安はますます募るばかりであった。日本が明日の成長を描けない社会になっているのであれば、日本という船は沈みかけていると行っても過言ではないだろう。

(小夏)


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