主観客観

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春季労使交渉と改正高年齢者雇用安定法

2013年2月5日

 2013年1月の景気DIは38.0となり、前月比2.3ポイントと大幅に改善した。震災直後の復興需要等による回復がみられた2011年7月(2.3ポイント)以来の改善幅である。新政権による景気対策やそれを好感した円安・株高などから、企業の景気マインドは大きく改善した。今後のさらなる景気回復への期待は高まっており、冷え込んでいた個人消費回復への期待もあるが、そこでキーとなるのは雇用・所得である。

 1月29日に閣議決定した税制改正の大綱では、雇用・所得の拡大へ向けての税制措置が盛り込まれた。支払給与総額を増やした分の最大10%(中小企業は20%)を法人税額から控除する新制度と、雇用者数が増加した場合は増加雇用数一人あたり40万円(現行20万円)を税額控除する雇用促進税制の改正である。賃金改善に対する企業側の抵抗を低減し、雇用・所得の拡大を図る。
 しかし、法人税の減額恩恵が受けられるほど利益を出せていない企業や、先行きが不透明とし内部留保に回している企業は少なくない。一部では今回の施策による雇用者数の増加や賃金改善への効果は薄いとする意見もある。中小企業からは「法人税の控除ではなく、利益も出せずに踏ん張っている中小企業にこそ、助成金等によるサポートが欲しい」との希望もあった。しかし、これは中小企業金融円滑化法と同じく、日本経済にとって支援すべき企業なのかは見極めが難しく、といってすべての企業への助成金等の支援は、バラマキに終わる懸念もある。

 現在、「高年齢者雇用安定法」により、企業は1)定年の引き上げ、2)継続雇用制度の導入、3)定年の定めの廃止の3つのうちどれかの導入が義務付けられている。継続雇用制度については、再雇用の際に対象者を限定する基準を設けても良いという緩和措置がとられていたが、平成25年4月1日からは改正され、継続雇用制度を導入している企業は希望者全員を継続雇用しなければならなくなる。

 景気の回復期待はあるものの、いまだ実体経済への好影響は一部にとどまっており、企業の大半は足元の厳しさを実感している。春季労使交渉を控えてはいるが、高齢者雇用も考慮しなくてはならない。2013年度における賃金改善について、企業はどのようにみているのか。弊社が行った「賃金改善に対する企業の意識調査」の発表は2月14日である。ぜひとも、注目して頂きたい。

(小夏)


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