主観客観

最新調査結果はこちら

補助金の活用

2014年5月7日

 景気が上向くなか、設備投資や研究開発の促進など資金需要の高まる企業の間で、補助金の利用が増えている。補助金とは、政策目標などを達成するために、国や地方自治体などが政策に合致した事業を行う企業に対してコスト面の支援を行うもの。金融機関からの融資と違い原則として受給者に返済義務はない。平成24年度、平成25年度は補正予算でそれぞれ大型の予算が組まれ、巷では「補助金の当たり年」と言われた。

 なかでも注目を集めているのが「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(通称 新ものづくり補助金)」(予算1,400億円)である。この補助金の特徴は、なんと言っても単純計算で1万社以上が補助金支給対象となる、その予算額の大きさだ。そもそも、例年の一般会計における「中小企業対策費」はおしなべて1,800億円前後であり、これに比してひとつの補助金事業で1,400億円という予算規模は、それだけで政府の当事業への力の入れようがわかるというものである。

 使えるものなら使っておいて損はない、と思われるこうした補助金だが、利用に際しては注意も必要だ。まずは資金繰りについての注意。補助金は、事業の実績に基づいて事後的に交付される。つまり、「後払い」なのである。補助金事業に採択されたからといってすぐに手元に現金が入るわけではないので、当初のキャッシュフローはマイナスになる。金融機関などと緊密に連携をとり、資金繰りに無理が生じないよう計画的に進めていく必要があるだろう。また、これだけ制度が充実すると、悪用する者も現れる。実際、2014年も不正受給によって逮捕された経営者が出ている。「補助金は手段であって目的ではない」ということを忘れないようにしなければならない。

 補助金利用にあたり最大の壁になるのは申請書類の作成であろう。簡素化に向かっているとはいえ、事業計画や実績報告など、決して簡単な作業ではない。これらの作成については、「事業を客観的に見直す機会にしてほしい」「税金を利用するのだから、相応の責任を感じてほしい」などの狙いがあり、所管官庁としては申請者本人が作成することを強く望んでいる。しかし、多忙な経営者にとってそれは現実的ではないであろう。認定支援機関などのアドバイザーを賢く活用し、補助金獲得を目指すのがベターであると考える。

 いずれにせよ補助金利用企業には、有効にその資金を活用いただき、大きな利益を創出して、投資された金額以上の経済効果を社会にもたらすことを期待したい。

(平野)


今月のトピックス・主観客観に戻る
最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.