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待機児童について

2014年6月4日

 この春、下の娘を保育園に預け復職した。上の娘のときも下の娘のときも“保活”というものはとくにせず、幸運にも保育園が決まったのだが、役所に行くと保育課のブースから抱っこひもで子どもを連れた母親たちの悲痛な訴えが聞こえてくる。

 ちょうど一年ほど前、横浜市の「待機児童数ゼロ(2013年4月1日時点)」というニュースが話題になった。横浜市は2010年に待機児童数が1500人を超え、全国ワースト1位を記録したが、それからわずか3年で急改善した。横浜方式としてマスコミで取り上げられ、それが呼び水となり子どもを預けて働く人、子育て世代の転入が増加。その結果、今年2月の試算で4月に認可保育所への入所を希望しながら入れない保留児童(※)が、前年同月比751人増の3,353人に達することが判明。その後、保育コンシェルジュなどを通して横浜保育室や保育ママを案内する、などの対応により4月1日時点の待機児童数を20人に抑えた。

 横浜市だけでなく、待機児童を抱える自治体は毎年のように待機児童数を上回る保育所の増設、定員増をおこなっているが、待機児童数は毎年ほとんど減少していない。なぜなら、保育所増設の情報を知り、今まで保育所入所をあきらめていた家庭(潜在的待機児童)が入所申し込みをするものの、入所できずに潜在的待機児童から待機児童へと呼び名が変わり顕在化するためで、つまるところ待機児童問題はいたちごっこなのだ。

 女性の年齢階級別労働力率は1991年と2011年との比較で見ると多くの階級で増加(厚生労働省「平成23年版働く女性の実情」)、また97年以降雇用者の「共働き」の世帯数が男性雇用者と無業の妻からなる「片働き」の世帯数を上回っている(内閣府「男女共同参画白書平成23年版」)。配偶者控除見直しも検討されるなか、今後女性の就業者数は増加が見込まれる。自治体は、潜在的待機児童数も含めて今後どのくらいの保育需要があるかを徹底的に調査・把握し、それを見据えた対策をとらない限り、今後も待機児童数がゼロになることはないであろう。

※保留児童とは認可保育園に入所申込みをしたものの、定員超過等により入所できなかった児童のこと。保留児童のうち、無認可保育所や家庭保育室の利用、育児休業中を除いた児童のことを待機児童という。

(さくら)


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