主観客観

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「妖怪」頼みではない強さ

2014年9月3日

 数カ月前のある日、4歳の息子が「ゲラゲラボ、ゲラゲラボ」と歌い、踊り出した。繰り返し踊っているので、それは何の歌なのかと尋ねると、「妖怪“ボ”ッチの歌」と言うだけで、本人もその妖怪“ボ”ッチが何なのかは分からないという。ただ保育園の友達が踊っているので、自分もその真似をしているというのだ。もちろんこれは小学生を中心に爆発的な人気を誇る「妖怪ウォッチ」のこと。(株)レベルファイブ(福岡市中央区)が手がけるニンテンドー3DS用ゲームソフトとして昨年発売され、出荷本数は100万本を突破。その後アニメや漫画、玩具などに展開され、日本経済新聞社が発表した2014 年上期の日経MJ ヒット商品番付の「西の関脇」に選ばれている。息子が歌っていたのは、そのテレビアニメのオープニングテーマ「ゲラゲラポーのうた」であり、子供達の間で大人気だというのだ。

 この妖怪ウォッチの関連グッズを手がけるのが(株)バンダイであり、そのバンダイを統括する(株)バンダイナムコホールディングスが8月5日に、第1四半期決算を発表した。トイホビー事業における妖怪ウォッチ関連商品は通期で70億円の売上を見込んでいたところ、第1四半期実績で65億円となり、上期の売上見込みを100 億円超へ大幅に上方修正する、嬉しい誤算となった。  

 しかし一方で、「関連商品であるDX妖怪ウォッチ、妖怪メダルを中心に、発売日前日から店舗に並んでやっと購入できる」「品薄のためにネット上で商品が高値で取引されている」と報道されており、こうした事態を受けて同社は、決算発表会見で生産体制の強化を約束することとなった。

 バンダイナムコホールディングスは、2012年度に最高益、2013年度に最高売上を達成し、2014年度もほぼ前年並みを計画している。この好業績を支えているのが「妖怪ウォッチ」の爆発的な人気であるのはもちろんだが、同じトイホビー事業の「ガンダム」「仮面ライダー」「アイカツ!」など定番キャラクター商品の人気継続のほか、ゲームソフト等のコンテンツ事業も好調と、妖怪ウォッチ頼みでない、豊富な人気コンテンツを抱えることも見逃せない。

 前述のヒット商品番付で「西の横綱」に選ばれた「アナと雪の女王」は、数々の人気コンテンツを抱えるディズニーによるものだ。ディズニーリゾートを手がける(株)オリエンタルランドは、平日午後6時以降に入園できるチケット「アフター6パスポート」の料金を、9月から500円値上げして3,900円にした。消費増税に合わせ4月に100円値上げしたばかりだが、再び値上げをしても入園者減少などの影響は少ないと判断し、強気の再値上げに踏み切っている。

 バンダイナムコとディズニー双方に言えるのは、「妖怪ウォッチ頼み」でなく、「アナ雪頼み」でない、強力なコンテンツを複数有するということである。人気コンテンツを継続して輩出し、息の長いコンテンツへ成長させていく力がある。そうしたコンテンツがあるため、価格競争にさらされることなく、強気の価格戦略が打ち出せているといえよう。社会現象を巻き起こしている「妖怪ウォッチ」や「アナと雪の女王」の人気が今後も続き、息の長いキラーコンテンツとなるのか否か、今後の動向に注目したい。

(星月)


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