主観客観

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教育の格差縮小への取り組み強化を望む

2014年12月3日

 暮れが迫ってくると、大学受験のニュースが増えてくる。年が明ければ、各地でのセンター試験の受験会場の様子が催事のニュースのように取り上げられるのが恒例となっている。昨年平成26年度のセンター試験の受験者は、56万672人で前年度比2.2%減と少子化の影響もあり減少しているが高水準にある(大学入試センター発表)。見事合格の後には、学費の支払いが待っているが、巷では、所得の格差による教育の格差がとかく取りざたされる。

 「平成22年度奨学金事業に関する実態調査」(日本学生支援機構)によると、奨学金に関する調査結果(平成22年度)では、日本国内で奨学金を受けている学生数は、48万3,615人、奨学金総額は1,416億円、1人平均約29万円である。あくまで平均だが、4年間続けば約120万円となる。卒業後に返済が不要な給付奨学金返済と、卒業後に返済を伴う貸与奨学金があるが、給付人数でみると給付型が4割、貸与型が6割の割合となっており、社会人になっても負の遺産を持ったままのスタートとなる。これでは所得格差は埋まらない。

 そのようななか、トヨタ自動車は、トヨタグループ9社と共に「一般財団法人 トヨタ女性技術者育成基金」(以下、本基金)を設立すると発表した。目的は、理系を志望する女子学生数の拡大と、継続的なキャリア構築支援により理系女子学生を育成し、自動車業界のみならず、製造業全体での女性活躍促進に貢献することとしている。安倍内閣による成長戦略のなかで、2020年までに、指導的地位に占める女性の割合を30%、女性の就業率(25歳〜44歳)を73%に引き上げる数値目標に対するトヨタグループの姿勢の表れである。
 全国の工学専攻の女子学生(大学・大学院120名程度)を対象に、研究施設等の見学、懇談会、女性技術職によるキャリア相談を実施するとしているが、なかでも注目なのが教育費用の支援だ。
 年60万円を最大6年支給(返済期間8年)する教育ローンは、在学中の利息相当額を免除し、また、卒業後に基金参加企業または製造業に技術職として入社した場合は、弁済資金の全額または半額相当額を免除するというもの。

 ただ、今後もこうした動きは、資金のある大企業に人材が集まり、人手不足にある中小企業には、人が集まらないとういう見方もできる。また、企業に頼っているだけでは所得格差による教育格差の是正にはつながらない。国の教育格差の是正に向けた取り組みが望まれる。

(2年連続受験生の親)


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