主観客観

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自治体のプロモーション力

2015年3月4日

 ときおり閲覧しているブログがある。ブログには執筆者が食べた料理の写真と簡単なコメントが添えられている。執筆者は北関東に在住。彼の趣味は食べ歩きで、“ランチセット”を得意分野としている。北関東の事業所に勤務時代、たまたま発見したこのブログを私は東京に異動した後も閲覧している。
 昨年、このブログに変化が表れた。地方の名産品がしばしば登場するようになったのである。サザエやリンゴ・ミカンといった海の幸、山の幸、日本各地の名産品だ。これらはブログ執筆者が「ふるさと納税制度」を利用して寄附した自治体からの返礼品。産地からダイレクトに届けられたプレゼントの写真は食欲をそそる。 

 「ふるさと納税制度」は2008年にスタート。一定の条件のもと、応援したい自治体への寄附で税金控除とお礼の品を同時に享受し、寄附金の使い道についても大枠で選択できる制度だ。総務省によると、2012年(1〜12月)に約10万6000人がこの制度を利用(控除申告分)し、スタート時(2008年同期、約3万3000人)の3倍以上となった。制度は着実にすそ野を広げている。
 2015年、ふるさと納税制度の利用人数を押し上げる施策が動き出している。2014年末に公表された「税制改正大綱」に、1.控除の限度額を個人住民税所得割額の2割にする(現行は1割)、そして2.減税に必要な申告について、多くのサラリーマンが年末調整で対応可能にする「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が盛り込まれた(従前は、確定申告が必要)。なお、同大綱には過度な返礼品の抑制を目的としたとみられる「寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を要請する」との文言もある。

 私も試してみようと思い、高校卒業まで過ごした自治体のウェブサイトをのぞいてみると、ふるさと納税制度の返礼品として自治体運営の水族館などの入園券が掲げられていた(私は遠方に住んでいるため利用できない)。寄附金の使い道・政策の選択肢も抽象的でパッとしない。膨らんだ期待を満たすものは見当たらず、いきおい、他の自治体の同様サイトを渡り歩き比較してしまった。 
 この制度では、東京など首都圏在住者から地方への寄附というルートが想定されているのかもしれない。しかし、首都圏以外の都市から地方へという寄附の動きも勢いを増すと、地方自治体の勝ち負けが表面化していく可能性もある。自治体運営には特産品の発掘力、支持される政策立案、プロモーション力がますます重要になりそうだ。 

(週末高崎線)


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