主観客観

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マイナンバー制度への警鐘

2015年10月5日

 バイクではなく車に乗る仮面ライダー「仮面ライダードライブ」のテレビ番組が先月エンディングを迎えたが、話も終盤を迎え悪役の天才科学者がたくらむ真の目的が明らかになった場面で、驚いた。彼の目的は、全人類をデータ化しナンバリングしたうえで支配することであったのだ。これは今月より通知が開始されるマイナンバー制度への皮肉、いや警鐘を鳴らすものであったと、私自身は受け取った。仮面ライダーの活躍により全人類ナンバリング計画は阻止されたが、現実のマンナンバー制度は来年1月の利用開始を控え、待ったなしの状態にある。

 そんなある日、国が実施したシステム関連のニュースを目にして、一抹の不安がよぎった。メタボ健診に関連するシステムに不備があったというものだ。厚生労働省は6年ほど前にメタボ健診の効果を検証するため28億円を投じて、「健診データ」と「医療機関のレセプトデータ」を蓄積するデータベースを構築したが、被保険者証等記号の入力方法が「全角」「半角」で異なるため、双方のデータの大半がマッチングできず当初の目的の効果検証ができていないというものだ。システムの仕様を決める段階でなぜ気付けなかったのか、納品前のテスト段階でなぜ判明しなかったのか、と疑問が浮かぶ。国家プロジェクトでそのような初歩的なミスが起こり得るものかと呆れたが、新国立競技場の建設費用しかり、財源が他人のお金(税金)だと作り手の意識は緩みがちになるものなのだろう。

 年金情報の大量流出問題が記憶に新しいところだが、個人情報の流出など、マイナンバー制度運用に伴いセキュリティー面への不安が拭えない。年金情報やメタボ健診システムの二の舞にならぬよう万全の体制を構築し、制度の運用に臨んでほしいと切に願う。5月に弊社で発表した「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」では、コスト負担は1社平均109万円を想定しているとの結果がでており、事業者にとってはコスト負担が重くのしかかる。しかし、自社の社員情報がいったん流出してしまえば取り返しのつかないことになりかねない。自分たちで粛々と準備を進め着実に運用することが、自社のリスクを軽減し後々の利益につながっていくことになるはずだ。

(星月)


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