主観客観

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組織の壊し方

2015年12月3日

 最近、一部でサボり方ガイドが話題になっている。作成したのは第二次世界大戦時のCIA(米中央情報局)で、敵国内のスパイが組織の生産性を落とすためにどのようにサボればよいかを記した秘密資料である。(正確には、CIAの前身組織であるOffice of Strategic Servicesが作成。2008年に公開された)

 スパイ活動には相手組織を破壊することも任務の一つであり、そのサボタージュ任務のシンプルなマニュアルが「Simple Sabotage Field Manual」である。日付を見ると1944年1月17日となっており、まさに第二次世界大戦の真っ只中に作成されたものと分かる。

 その方法とは、主に以下の11項目にまとめられるという。
・「注意深さを促す」。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする
・可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上
・何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない
・会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する
・前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す
・文書は細かな言葉尻にこだわる
・重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる
・重要な業務があっても会議を実施する
・なるべくペーパーワークを増やす
・業務の承認手続きをなるべく複雑にする。1人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする
・全ての規則を厳格に適用する

 これがCIAの前身組織が敵国の組織をダメにするために実行すべきと定めたマニュアルの一部、つまり、スパイが敵国組織に紛れ込んで、いわゆる「大企業病」にしようという工作指示書である。

 どのように感じられただろうか。貴社のなかにCIAのスパイは潜んでいないだろうか。あるいは自身がスパイになっていないだろうか。自戒を込めて非常に興味深く読みこんだ。

(撞球者)


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