主観客観

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「酒場放浪記」にみるサラリーマンの懐事情

2016年1月8日

 BSで放送されている「酒場放浪記」は今や裏の月9といわれるほどの人気番組である。吉田類氏が街歩きをした後、エリアに根ざしたオススメ店の暖簾をくぐり、店の主人や常連客と軽妙なやりとりをしながら、盃を交わすという内容である。当番組のターゲット視聴者層は、吉田氏と同年代のいわゆる「おじさん世代」が多いと思われるが、女子にも結構ウケが良いようで、「おんな酒場放浪記」なる派生番組もスタートしている。

 当番組の人気の理由を探っていくと、吉田氏の独特のキャラクターに加えて、視聴者になじみのある街や店がテレビに登場することから「親近感」や「共感」を抱くことができるというのが1つ目の理由である。
 別の理由は、「仮想現実」の体感である。当番組がスタートしたのは2003年9月であるが、その後2008年のリーマン・ショック以降の景気の後退局面で、おこづかいの緊縮財政を強いられたサラリーマン諸氏も多いことだろう。総務省の家計調査(1世帯当たり年平均1カ月間の支出−2人以上の世帯)によると、おこづかいの金額は2003年に1万8,163円であったものが、その後2008年に1万4,754円、2014年には1万368円となり、減少の一途をたどっている。サラリーマンの懐事情が厳しくなる中で、「家飲み」というコトバもすっかり定着した。「家飲み」派が、自宅でグラスを傾け、番組を見ながら酒場で飲んでいる気分を味わうという「仮想現実」を楽しんでいるのではなかろうか、というのがもう1つの理由である。制作会社に制作意図を聞いてみたいところであるが、「そんなことまで考えてないですよ」と言われてしまうのがオチかもしれない。

 サラリーマンの聖地である東京・新橋界隈では、「新型おいはぎ」なる犯罪も多発しているようである。2016年も懐具合と健康に十分留意しつつ、楽しく美味しいお酒で、明日への活力としていただきたい。最後は吉田氏にならい俳句といきたいところだが、サラリーマンによるサラリーマンのためのサラリーマン川柳でしめさせていただきたい。
 「おいはぎが 目を光らせる 千鳥あし」

(タカトシ)


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