主観客観

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地方は活性化するか否か

2016年1月8日

 2015年は芥川賞を受賞した又吉直樹著「火花」が250万部を超えるベストセラーとなったが、地域活性化に関するヒット書籍も生まれた。秋田市在住の漫画家・こばやしたけし著「地方は活性するか否か」が売れている。

 本書はもともとインターネット上で4コマ漫画として公開していた内容を、ストーリー漫画として書籍化したものである。学者でも政治家でもない一般市民の立場として書かれており、現在の地域活性化の問題点を平易にかつ鋭く展開している。

 地方創生を主人公である女子高生が論じるというのはユニークな試みである。そこで語られる「地方創生失敗のパターン」として、「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民業、全然関心のない市民」という会話が交わされる箇所は、本質を突いた指摘のように感じる。
 ほかにも、『カネがない「地方」は「カネでにぎわいを作る」のではなく、「にぎわいでカネを作る」ようにしないといけない』という見方は、行政だけでなく地域イベントの開催においても忘れてはいけない点であろう。

 しばしば、地域活性化のキーパーソンとして「よそもの」「ばかもの」「きれもの」「わかもの」という人材像が挙げられる。「よそもの」とは、外からの視点を持ち、内向きになりがちな思考に対して、客観的に対処することができる人材。「ばかもの」とは、楽天的で一見すると何も考えていないように見えるが、行動力や観察力にたけている人材。「わかもの」とは、経験が不足している半面、勢いや新しいものを受け入れられる人材。「きれもの」とは、上記のような人材を束ねるプロデューサーとしての人材であり、それぞれの短所を補いながら長所を最大限引き出すことが重要となる。「きれもの」は本来、地方の政治家が担うべき役割と言える。

 いつの時代も、地方経済が日本を支えてきたのである。しかし、地域活性化や地方創生などさまざまな言葉で語られるが、なかなか成果が表れていないのが現実であろう。専門家や行政だけでなく、さまざまな視点から議論が深められることが重要である。

(撞球者)


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