主観客観

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棚からぼた餅

2016年2月3日

 杭打ちデータの改ざん問題。社会に衝撃を与えたあの事件の報道をここ最近は目にすることが減ってきた。しかし、ご協力いただいている景気動向調査の回答のなかで「検査に時間がかかるようになり、その後の作業が遅れている」といった企業の声が寄せられており、建設業界や不動産業界の実際の現場では今も影響があるようだ。私も含めこのコラムを読んでくださっている皆さんがデータ自体を改ざんすることはないだろうが、無意識のうちに自分に都合が良いようにデータを解釈したり、または自分の求めているデータのみを寄せ集めたりして結論付けてしまうことは往々にしてあるのではないだろうか。

 ある原稿を執筆する際のこと、餅の消費量が減っているだろうという仮定のもと記事を書くなかで、それを裏付けるデータを探していた。総務省「家計調査」の「もち」の項目を見てみると、二人以上世帯の年間支出額は20年前と比較して、3割以上減少していた。この統計数値を引用すれば裏付けができると思い、その内容を記載して、先輩社員に原稿のチェックを頼んだところ、「家計調査の数値は消費税を含めた値だけれども、税率の引き上げの影響については問題ないか。また1世帯の支出金額であるため、そもそも世帯の構成人数がこの20年で減っているはずなので確認したほうが良い」との指摘を受けた。

 指摘してもらった内容を確認したうえでも餅の支出金額は減少していたのだが、統計調査に携わる者として、良い教訓となった。自分の主張を裏付けるデータであっても、本当にそうなのかと一度は疑いの目を向けてみること、また算出方法をしっかりと確認することがデータを扱ううえで重要だと再認識することができた。私にとっては“棚からぼた餅”な出来事であった。

(星月)


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