主観客観

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適正な対価

2016年5月9日

 Amazon.co.jpは4月6日に配送料を改定し、2000円未満の商品の通常配送料を無料から350円に引き上げた。ちょうどその前日にAmazon.co.jpから1500円ほどの商品が我が家に届いたばかりで、個人的にはタイムリーなニュースだった。もともとAmazon.co.jpが販売、発送する商品の配送料無料サービスは、期間限定のキャンペーンとして実施されていたが、2010年11月以降は期間限定ではなく正式なルールとして採用されていた。

 誰もがインターネットで情報を入手できる今、ネット通販で家に居ながら好きな時間に安い価格の商品を検索し、購入することができるようになった。経済産業省の電子商取引実態調査によると、2014年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は12.8兆円(前年比14.6%増)まで拡大している。ネット通販の多くは「〜円以上で送料無料」や「返品無料、返品送料も無料」という業者もあり、消費者としては至れり尽くせり、と感じ、それに慣れてしまっているのではないか。

 送料無料とは言え、もちろん「運ぶ」というサービスは無料ではなく、人や資材、エネルギーをかけて行われるものである。ネット通販業者の企業努力だけで成り立っているのではなく、物流業者にもそのツケが回っていることは容易に想像がつく。消費者として「送料無料」に浮かれすぎず、「運ぶ」という労働に対する適正な対価を支払うべきであることを忘れてはいけない。

 適正な対価と言えば、保育士や介護職の低賃金が昨今注目されている。サービスの対象者が幼い子どもと高齢者で異なるが、ともに「人」をケアする職種であり、その重い責任と厳しい仕事内容や労働条件にもかかわらず、賃金は国が定めた公定価格で成り立っているため、事業者側で勝手に賃金を上げることができない。厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によると、賃金は保育士が21万9200円、ホームヘルパーが22万5100円、福祉施設介護員が22万3500円。それぞれの職種で平均年齢や勤続年数の差があるものの、全産業平均の33万3300円に対し、10万円以上の差がある。政府は4月26日に第7回一億総活躍国民会議を開き、保育士や介護士の賃金を2017年度から引き上げる方針を正式に決めたが、それでも全産業平均と比較して低水準ではないだろうか。労働に対する適正な対価が支払われ、労働環境の改善につながることを切に願う。

(C.K)


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