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消費の実態はどこにあるのか?

2016年6月3日

 消費が冴えない。
 個人消費は国内総生産(GDP)の約6割を占めるなど、経済活動で大きな割合を占めているにもかかわらず、その実態はつかみにくい。そのため、これまでにもさまざまな機関が消費統計を開発しており、消費の動きを探る努力が続けられている。

 現状では個人消費に関して、速報性が高く、包括的に捉えられ、統計的な振れも小さく精度が高い調査統計は存在しない。世界に類を見ない消費統計「家計調査」(総務省)は非常に有用であるものの、調査対象となっているサンプルの職業や年齢構成など、偏りも指摘されている。

 GDP統計(確報)は、個人消費の動向を把握するうえで最も精度の高い統計だが、GDP統計(確報)で利用されている基礎統計もサンプル調査であるため、あくまでも「真の個人消費」の近似値である。ただし、GDP統計の確報値は、公表までに時間のかかる供給統計も利用しており、当該時期から1年程度、さらに精度の高い確々報値は2年程度遅れて公表されるため、速報性は持ち得ない。

 そのようななか、日本銀行は5月、新たな消費統計として「消費活動指数」の公表を開始した。分析データという位置づけであるが、消費動向の分析手段がひとつ増えたことは、消費実態を把握する大きな助けとなろう。

 2016年5月のTDB景気動向調査では、『小売』や『サービス』など、個人消費に関連する業種の落ち込みが顕著に表れた。回答企業から寄せられる「スマートフォンにおいて新機種発売前の買い控え、および一部商品の入荷遅れによる販売機会ロスが大きい」(情報家電機器小売)や「仕入単価が上昇している」(食肉小売)、「熊本地震による二次被害が大きく影響している」(旅館)といった、生の声は実態を理解するうえで非常に貴重な存在である。

 今後の景気回復のカギは個人消費が握っている。正確な現状把握は的確な政策に欠かせないうえ、新たなビジネスチャンスを発見する大きなヒントにもなりうる。消費関連統計のさらなる充実が望まれる。

(撞球者)


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