主観客観

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魂を入れたストレスチェックの運用

2016年6月3日

 「健康経営」という考え方がある。これは経済産業省が、日本再興戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に対する取り組みの一環として、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定している。
 この「健康経営」は、やはり企業を構成する従業員一人ひとりの健康が企業を、ひいては国家を健康にするという考え方だ。労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が、2015年12月1日に施行されたのも、その一環である。同制度は労働者を常時50名以上かかえる全事業場において実施する義務があるため、すでに多くの企業で取り入れられているであろう。

 ストレスチェック制度は、大まかには次の目的で運用される。
 事業場における事業者による労働者のメンタルヘルスケアは、取り組みの段階ごとに、労働者自身のストレスへの気付き、および対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する「一次予防」、メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行う「二次予防」およびメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰を支援する「三次予防」に分けられるが、「ストレスチェック制度」は、これらの取り組みのうち、特にメンタルヘルス不調の未然防止の段階である一次予防を強化する目的である。

 ストレスチェックの検査結果を通知された労働者のうち、厚生労働省が定めた要件に該当する労働者から面接指導の申し出があった場合は、事業者は医師による面接指導を実施しなければならない「面接指導の申し出ルール」のほか、ストレスチェックの結果、医師による面接指導を申し出た労働者に対し、事業者は不利益となる扱いをしてはいけない「面接指導の申し出を理由とする不利益となる扱い禁止ルール」がある。また、事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合には労働者の実情を考慮し、就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置を実施しなければならない。

 ただ、診断結果をみても、また管理者側だけが担当する職場の平均値を把握しても、管理職側は業務多忙で対応する時間がないなど、あまり効果がないのではないだろうか。
 であるならば、各個人の診断結果は、その職場のメンバー同士でも共有することが、真の「健康経営」につながる。やったら終わり「仏作って魂入れず」の風潮にならないためにも、実施部署は運用方法を再考すべきではないだろうか。

(仏)


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