主観客観

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路線価にみる企業と地域の共存共栄

2016年7月5日

 妻の実家から車で4〜5分の距離にその大邸宅はある。敷地面積は10,000平方メートル超、築80年以上の近代和風建築の主屋は中庭を囲んで建てられ、その南側には3,000平方メートルほどの庭が広がる。  

 群馬県太田市、利根川近辺に所在する大邸宅の施主は中島知久平氏、同氏は終戦まで世界有数の航空機メーカーであった中島飛行機の創業者である。戦後、中島飛行機は解体され、現在の富士重工業の源流となった。大邸宅はGHQに接収された後に返却、親族居住を経て2009年に太田市が取得し、2014年6月より「太田市中島知久平邸地域交流センター」として運営されている。妻に聞くところ、地域ボランティアが定期的にこの広大な敷地の清掃活動などを手伝っていたという。地域の誇りや歴史といったものが損得勘定を超えて守り続けられているように感じた。  
 
 7月1日、国税庁は2016年分の路線価を発表した。関東信越国税局エリア(群馬、茨城、栃木、埼玉、新潟、長野)の税務署別最高路線価をみると、太田市(飯田町市道太田駅南口線)の路線価が前年比13.6%増と大幅にアップ、6県のなかで最高の上昇率を記録した。駅周辺の再開発に加えて好調な地元の自動車産業が路線価の上昇に寄与しているようだ。  

 中島飛行機の創業の地、群馬県太田市には富士重工業の主要工場(太田市スバル町1-1他)があり、運転支援システム「アイサイト」などの研究開発も行われている。そして下請け企業も数多く存在するいわゆる企業城下町を形成している。現在、「SUBARU」ブランドは国内のほか海外ユーザーにも定着し、北米市場の販売台数は7期連続で過去最高を更新中という。  
 
 もちろん、地域の興隆や魅力について一企業のみをクローズアップし、全てを関連付けて語ることはできないと思うが、企業と地域との共存共栄を歴史や視覚で感じることができる。そのような風景が群馬県太田市には広がっている。

(週末高崎線)


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