主観客観

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おひとりさま

2016年12月5日

 「おひとりさま」に関する社会的な認知度は上がっている。
 2009年にTVドラマ「おひとりさま」が放映されたこともあるが、2011年11月にカラオケチェーン運営のコシダカが「ひとりカラオケ専門店」をオープン、飲食店では「ひとり鍋」、「ひとり焼き肉」など、続々とひとりを対象にした店舗やスペースを確保してニーズに応えようとするサービスが増加してきた。
 2012年4月には京都大学が学生食堂に「ぼっち席」を設け、学生からは好評、生協も稼働率が向上したようだ。

 他人に干渉されずに自分のペースで寛ぐという感覚はわからなくもない。誰しもが自身の落ち着く空間や時間を大事にする。
 小家族化の進展が進み、時代は変化した。私が小さい頃は、家族で鍋を囲む際は、家族でもっとも年長者の祖父の味付けで、祖父が箸をつけるまでは、だれも箸をつけないという暗黙の家長ルールがあり、それが当たり前だったように記憶している。そこでは同じテレビ番組を見ながら、笑いやダメ出しをしながら他者の多様なものの見方や琴線がどこにあるのかを食の空間を通じて、理解していたように記憶している。

 現在は、同じ食卓を囲んでいても、家族でも子供たちは自分の味の好みで「○○っと鍋シリーズ」を利用している。また、携帯・スマホが1人1台の時代では、同じ場や同じ時間を共有していても各個人が自身の興味のあることに集中する。家族で食事をする際、携帯・スマホを机においてLINEやメールがくれば即座に返信するなど、まさに「ひとり飯」の感覚を感じることがある。
 「ひとりマーケット」の受け皿が増えるのは、それだけニーズがあることの裏返しだろうが、個人を尊重するあまり、ひとりの自由さや楽さばかりを受け入れる社会が当たり前になってしまうと、集団の中でもまれ、煩わしさを感じながらも人の多様性を理解し、対処するという「社会性の発達」を阻害することになりはしないか?と危惧する。

 

(新人類世代)


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