主観客観

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人手不足関連特需

2017年4月5日

 人手不足が深刻度を増している。TDB景気動向調査(2017年3月調査)によると、正社員が「不足している」という企業は45.5%にのぼり、過去最高を更新した。また、非正社員についても29.5%となっており、2017年1月と並び過去最高となっている。

 有効求人倍率や失業率などの雇用関連統計もバブル期並みの水準で推移するなか、従業員を確保・定着させる必要性から賃金の引き上げを実施する企業は年々増加している(帝国データバンク「2017年度の賃金動向に関する企業の意識調査」2017年2月14日発表)。他方、自社の業績拡大を理由として賃上げする企業は減少しており、このような賃上げ状況が長続きすることは難しいと考えざるを得ない。つまり、人手不足が企業活動における新たなリスク要因になっていると言えよう。

 他方、設備投資の動機についても、人手不足が深刻化するにつれて、省力化・合理化を目的とした投資は増加している。IT関連やAI(人工知能)などを活用した人手不足に対応する商品・サービスを提供する企業に特需が生まれているのである。そこでは、自社が得意な分野を生かしつつ、他社と組むことで新たなイノベーションを起こしている。

 また、人手不足が高水準で推移するなかで、広告や人材派遣業界では、求人広告や人材派遣へのニーズが急激に高まっているほか、「クライアントの人手不足感が強く、引き合いが多い」(経営コンサルタント)といった声も聞かれる。

 人口が減少するなかで景気の上向き傾向とともに急速に進んだ人手不足。どうにかして従業員の不足を解消したいという課題を抱える企業が多くなれば、それをニーズとして捉え、課題解決に応えようとする企業も現れてくる。これは、日本経済のダイナミズムが依然として生きている証左と言えるのではないだろうか。

 

(撞球者)


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