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焼肉と和牛

2017年8月3日

 日本人の好きな食べ物ランキング上位の定番である焼肉。タンやカルビ、ロース、ハラミなど数多くの部位があり、年齢に関係なく人気がある。焼肉通になると、イチボやランプ、カイノミ、ミスジといった、焼肉素人にはあまり馴染のない希少部位を注文するらしい。私個人としては、一般的に知られている部位だけで十分に満足できるが、焼肉も奥が深い。焼肉店は、家族や友人と訪れるのはもちろん、会社の接待などでも使われることがあり、日本人に馴染のある外食産業の一つだろう。

 日本フードサービス協会によると、2016年の焼肉店の売上高は前年比3.9%の増加となり、2012年から5年連続で前年を上回った。また、店舗数も前年比2.2%の増加で、2014年から3年連続の前年比増加となり、現在の焼肉店市場は拡大傾向にある。背景には、立ち食いスタイル店や料金均一店を展開するなど、各企業が様々な需要に対応した店作りを行っていることが挙げられる。しかしそれ以上に、直火で焼いた「和牛」の美味しさに魅了された人が多数いることこそが根本的な理由ではないだろうか。焼肉店市場の成長には和牛の存在が大きく関わっている気がする。

 日本の牛と言えば、和牛。和牛は、「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4品種と、これらの間で交配された交雑種を呼び、米沢牛や松坂牛、神戸牛など多くのブランドがある。和牛はサシと呼ばれる脂肪分が多く、それが口の中で溶けることにより柔らかい食感を生み出しており、臭みはほとんどない。高品質で美味しいため国内では以前から人気だが、最近では世界各国でこの人気に火が付きつつあり、和牛の輸出量は年々増えている。

 2016年の和牛の輸出額は約136億円(約1,900トン)となり、6年連続で前年を上回った。日本政府は和牛の輸出戦略として、2019年までに牛肉の輸出額を250億円(約4,000トン)に伸ばす目標を立てている。焼肉などの日本食文化と一体的なプロモーションや、商談会開催・見本市出展などの支援を行うことで輸出を拡大させる計画だ。また、BSE問題が発生してから日本の牛肉受け入れに消極的な国は多かったが、近年ではEU諸国やブラジルなどが受け入れを解禁しており、2017年の9月には台湾も和牛の受け入れを解禁する見通しとなった。今後も引き続き、和牛輸出の拡大が予想される。
 和牛の強みを活かした売り方や食べ方を世界に広めることで、世界規模での和牛ブームが訪れるかもしれない。

 一方、輸入面では、8月1日から米国産冷凍牛肉を対象としたセーフガードが発動され、関税が38.5%から50%に引き上げられた。これにより国内生産者らは保護されるが、セーフガードが発動されるほど、国内には輸入牛が多く流通していることが分かる。
 しかし個人的には、和牛の国内シェアを増やして、多くの人と和牛の美味しさを共有したい。肉好きの一人として、今後、国内外問わず和牛のシェアが高まることを期待している。

 

(週一焼肉)


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