主観客観

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人手不足のセミナーで学んだポイント

2017年9月5日

 雇用環境が改善する一方で、生産年齢人口の減少を受けて、企業の人手不足が深刻な経営課題になっている。2017年8月に、帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査(2017年7月)」では、企業の45.4%で正社員が不足し、2006 年5 月の調査開始以降で過去最高を更新した。大企業での人手不足感が高まるなか、新卒者の根強い大企業志向もあり、中小企業の採用動向は今後も厳しさが増すとみられる。

 近時は、企業による働き方改革やダイバーシティ経営など、多様な人材を確保するための環境・仕組みを整備する必要性が高まっており、さまざまな情報を見ることができるが、そのなかから「では、自社の場合はどうしたらよいか」を探すのは、なかなか難しい一面もある。そこで、このテーマについてなにか共通するようなヒントはないものかと、あるセミナーに参加してみた。そこで、第一線で活躍されている経営者の取り組みや、支援企業などからのアドバイスをうかがって、参考にしたいと思った話があったので、ポイントを振り返ってみたいと思う。

 そのポイントは「自社の現状と人手不足の業務を把握すること」。これは、たとえば「当社は売り上げが伸びており、需要拡大に対応しなければいけない」、あるいは「新規事業に取り組む必要がある」、「いまの事業をしっかり行っていく時期だ」など、人手不足というキーワードから、まずは背景にある根本的な経営課題を見つめ直しましょう、業務を洗い出し、見える化をしましょう、という話である。
本 当に人手を増やすことでしか解決策はないのか、実はいま行っている業務は「やめても構わないのではないか」、または「ムダ、ムラを省いたら時間が短縮した」というようなケースもいくつか紹介され、まずは不足要因をよく見つめ直すことが重要だと感じた。
 そうすると、業務の必要性とともにその業務に合わせた「本当に採用したい人材」が明確になって、雇用条件や採用活動のメッセージも具体化し、職場環境や制度も整えやすくなるというのだ。業務を見直した結果、「実はいままで求人像が漠然としていた」、「採用したい人の幅をもっと広げても問題なかった」、「短時間勤務を希望する人が来てくれたら、その方が助かる」という気づきが得られることもあるそうだ。

 厚生労働省によると、2016(平成28)年度の大卒就職率は97.6%と6年連続で増加し、1997年の調査開始以降で過去最高を更新。売り手市場が続き、若年者の採用は年々難しくなっている。こうしたなか、年齢や性別にとらわれず、さまざまな業務改善や工夫をこらして、多様な人材の雇用と生産性向上に取り組む企業が数多くあることを、今回改めて学んだ。
 セミナーでは、「社長との距離が近いし、環境や人事制度も柔軟に変更できるのは中小企業の強み」という話があったが、中小企業庁のサイトには、経営課題別、業種別などで具体的な取組事例が紹介されている。興味ある方は覗いてみてはいかがだろうか。

 

(Ti)


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