主観客観

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今年のトレンドについて考える

2017年12月5日

 今年のトレンドとしてみなさんは何を思い浮かべるだろうか。著者的には2017年は電気自動車の普及が現実味を帯び、大きなトレンドとなった年といえるのではないだろうか。イギリスやフランスは2040年以降ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると表明したほか、中国も政府主導で電気自動車の普及を推進している。また、電気自動車は製造に必要な部品数が大幅に減少することなどから、参入障壁も低いと言われており、異業種からの参入も相次いでいる。最近では掃除機で有名なイギリスのダイソン社が2020年までに電気自動車市場への参入を表明した。

 私自身は電気自動車に乗ったことはないのだが、かつて妻が電気自動車関連ベンチャー企業に勤務していたこともあり、何回か試乗したことがあると言う。妻曰く「アクセルを踏んだ時の加速感がガソリン車と比べものにならない」とのことであった。昔、遊んだラジコンカーの原理同様に電気自動車はモーターの回転がダイレクトに推進軸回転につながるため、エンジン内の吸気・圧縮・爆発、クランクによる推進軸の回転というプロセスをたどるガソリン車とは比べものにならない瞬発力がある。

 政府主導で電気自動車へのシフトを進める英・仏・中の三カ国に対し、ガソリン車の生産・販売で優位にある日・独・米の三カ国にとって、電気自動車への急激なシフトは従来のサプライチェーンや産業構造の変革が不可避となる。また、利用者視点では、充電時間の長さや航続距離の短さが今後の本格的な普及に向けてのネックと言えよう。ガソリンであれば、2分程度で給油が完了する一方、電気自動車では急速充電で20〜30分はかかるという。電池の経年劣化で電池の減りが早くなるという事態も想定されるうえに、劣化したリチウムイオン電池を搭載した中古電気自動車はリセールバリューが低くなると見込まれている点も気になる。携帯電話やスマホの電池残量がなくなりそうだという場面はよく経験するが、電気自動車で外出した際に同じ思いは避けて通りたい。

 こうしたなか、10月25日にはトヨタ自動車がリチウム電池に比べて航続距離が大幅に改善する全個体電池について2020年代前半の実用化を目指すと発表し、今後の電池の性能改善に大きな期待がかかる。米国でフォードがフォード・T型を発売したのは1908年に遡る。100年に一度と言われている産業変革の行方と次の自動車業界の覇者を見守っていきたい。

(ヒデトシ)


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