主観客観

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美術史を学ぶビジネスマン

2017年12月5日

 いま、美術史を学ぶビジネスマンが増加しているという。経済のグローバル化が進むにつれ、主に欧米を中心とした「自国の美術史の話をできなければ社会人として恥ずかしい」という考え方に触れる機会が増えていることが背景にあるようだ。
 これまでも、海外旅行や留学先などで、自国の歴史に関する話ができることは最低限の教養とみなされてきた。

 そうした折、最近読んだ木村泰司著『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(ダイヤモンド社)が非常に興味深かった。同書によると、欧米における「美術」とは、直接的な政治や宗教と異なり、最も無難な話題であると同時に、それぞれの時代や宗教、政治、哲学、風習などが美術品や建築に盛り込まれているという。つまり、美術史を学ぶとは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことにつながるといえよう。
 そのため、海外への進出を考える企業が増えていることが背景となり、いわゆる幹部候補たちを対象にその教養を身につけさせているのである。

 しかし、美術にこうした要素が含まれているのであれば、美術史はビジネスエリートのためだけでなく、美術史を通して世界史を学ぶこともできるかもしれない。そうであれば、世界史を学ぶ中学生や高校生にとっても、有益なのではないだろうか。そうして学んだ教養は、一段と国際化が進むであろう将来の大きな糧となるに違いない。

 もちろん、日本の美術史を同時に学ぶことで、歴史の縦(時代)と横(地域)から世界史と日本史をリンクさせることができる。
 では、どのように学べばいいのだろうか。その点、日本は海外美術に関する展覧会などが多く開かれている。しかし、単に美術品を鑑賞するだけでは、外国語の映画を字幕なしでみているのと同じともいえる。そのため、その場にいる学芸員に教わりながら鑑賞したり、有料でもオーディオ・ガイドなどを利用することで、より深く美術品などを理解することができよう。

 また、旅行先では、少しだけ時間を割いて、地元の博物館や美術館に立ち寄るのもひとつの方法であろう。今回偶然にも、新たな発見の多い書籍との出会いに恵まれた。私にとって新たな楽しみが増えたことは望外の喜びである。

(撞球者)


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