主観客観

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通勤ストレスの高まる季節

2018年5月7日

 都心に勤務していて避けられないのが朝の通勤ラッシュ。電車内では今やほぼ全員がスマホを見ているという光景のなか、混雑による暑苦しさ、ヘッドホンから漏れるシャカシャカ音、門番のごとく頑なにドア付近に立つ人、ぶつかる他人のバッグなど、朝からイライラしがちな要素が満載だ。国土交通省の鉄道輸送統計(平成28年度)によれば、一年で定期利用客数が最も多い月は5月(12億5,578.4万人)、次に多い月は6月(12億3,428.7万人)と、これからの季節が1年でもっとも通勤ストレスの高まる季節といえる。ストレスの蓄積は、健康を害するリスクを高める。職場におけるメンタルヘルス対策が重要視される今日では、何となくあきらめている通勤時のストレスも看過できない問題ではないだろうか。

 総務省が4月26日に公表した住民基本台帳に基づく都道府県間移動率(2017年)によると、転入超過となったのは全国で7都府県、なかでも東京都の転入超過率(0.57%)が最も高かった。少しでも都心近くに住み通勤時の負担を軽減したいというニーズは高く、以下、転入超過率の上位には千葉県(0.26%)、埼玉県(0.21%)、神奈川県(0.15%)と続いた。東京圏への人口一極集中で、通勤ラッシュを受け入れざるを得ない状況のなか、個人レベルでできる当面の対策としては、少し早めに出勤したり、急行や快速でなく各駅停車に乗車したり、ホーム階段近くの車両を避けて乗車することぐらい。最終的には諦めて流れに身を任せるしかない。

 根本的な通勤ラッシュの問題は、多くの企業が朝9時に始業し、一斉に全社員が仕事をし始めることにある。鉄道各社は時差通勤を促すキャンペーン等を展開しているものの、現時点で目立った効果は表れていない。東京都でも「満員電車ゼロ」を掲げて当選した小池百合子知事が「時差Biz(ビズ)」を提唱し、2017年7月に官民挙げて時差通勤に取り組んだものの、混雑緩和にはなお時間がかかりそうな状況だ。今後、長時間勤務の是正など働き方改革の機運が高まり、今より自由な働き方が浸透すれば通勤ラッシュの緩和も見込まれよう。2020年の東京五輪を前に、都心の通勤ラッシュが喫緊の課題となるなか、働きやすい社会が実現することを願うばかりだ。

(TKTK)


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