主観客観

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広島東洋カープにみる最強のマーケティング

2018年6月5日

 広島東洋カープが今季も好調だ。2016年と17年に連続リーグ優勝を果たし、ファンは早くも3連覇に期待を寄せていることだろう。野球は、投手と捕手を中心としたセンターラインが重要といわれるが、二遊間を守る菊池、田中の守備力は球界での評価も高い。岡田や大瀬良など先発陣が安定的な仕事ぶりで「試合を作る」一方で、中継ぎから抑え投手への勝利の方程式も確立している。

 1975年、79年、80年、84年、86年にリーグ優勝し黄金時代を築いたが、91年の優勝から16年の優勝まで四半世紀の歳月が流れた。93年に導入されたフリーエージェント(FA)制度や逆指名制度(06年まで)後は、有力選手がFAで他球団へ移籍するなど、戦力の弱体化が進み、資金力が豊富な球団がFA権を得た選手や有力外国人選手を獲得し補強を進めるなか、憂き目をみてきたといえる。

 一方で球団は90年に日本球界で初となる広島東洋カープアカデミーオブベースボール(カープアカデミー)をドミニカ共和国に設立し、有望選手の発掘と育成をスタートしている。現在では、カープアカデミー出身選手のバティスタが活躍するなど、育てた若木が確実に実を結んでいる。
 09年には長年ファンに愛された旧広島市民球場からマツダスタジアムへホームスタジアムを移転した。マツダスタジアム建設にあたっては、アメリカのボールパークを参考にしたといわれており、野球観戦のみならず、BBQエリアの設置など家族や友人とレジャーを楽しむ場所という仕掛けがみられ、スタンドは連日、多くのファンで埋め尽くされている。

 従来から地元広島を中心に熱烈なファンは存在していたが、ここ数年は「カープ女子」と呼ばれる新たなファン層を開拓し、県外からの集客に成功している。地域や性別で従来と異なるセグメントをターゲットとして新たな客層獲得に成功したカープのマーケティング手法は、今では「オリ姫」(オリックス・バファローズ)や「虎女」(阪神タイガース)など他の球団にも波及している。

 カープの今日の成功は、有望選手の発掘と育成を自前で行い、ファン集客のマーケティングに知恵を絞ることが大切であるということを教えてくれているのではないだろうか。

(ヒデ)


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