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【 すっきり志向が好調 】

2010年9月3日

 過去113年でもっとも暑い夏となり、ビールはさぞかし好調かと思えば、低価格を売りにした新ジャンル商品だけが伸びて、あとは苦戦が続いているようだ。これは天候や、景気以外に、国民のアルコール離れが続いていることの影響が大きい。国税庁の発表によると、2008年度の酒類消費量は851万8,100klと、ピークの1996年度より1割以上減少している。人口減や高齢化のみならず、若者がジュース片手に「居酒屋」で食事をとる光景が増えていることも影響しているのだろう。

 一方、ブームを背景に市場を拡大してきた焼酎業界も、3年ぶりに前年割れとなったことが帝国データバンクの調査でわかった。2009年1月期〜12月期の上位50社の売上高合計は3,056億1,700万円で、前年の3,090億1,300万円より1.1%減少した。「本格焼酎」と呼ばれる従来の乙種焼酎を製造する焼酎メーカーは全国で200社以上存在するが、売上高が100億円を上回る企業はわずか6社と、ほとんどが中小、零細の酒蔵で占められている。全国的にも知名度の高い上位5社(三和酒類、霧島酒造、薩摩酒造、雲海酒造、二階堂酒造)をみると、ランキング2位の霧島酒造を除いて全てが減収となった。

 国内トップの三和酒類は麦焼酎「いいちこ」ブランドを首都圏、関西、中部と大都市圏に展開するのが強み。売上高は5年連続の前年割れながらも、いち早くブランド戦略を進めトップの座を守り続けている。特筆すべきは7年連続2ケタ成長を続けている霧島酒造。芋焼酎「黒霧島」は黒ブームの火付け役として、急成長を遂げている。芋焼酎の本場、鹿児島の薩摩焼酎を研究して、新たなマーケットをターゲットとしたことが成功につながったという。従来「芋焼酎」はフーゼル油と呼ばれる、発酵中に発生する香りが特徴で、飲み慣れない層にはこれが敬遠されてきた。霧島酒造ではこういった要素を取り除き、いわば「芋らしくない芋焼酎」を開発し、焼酎にまだ馴染みが少ない女性層などを取り込んだのだ。

 嗜好もさることながら、消費者が選ぶ基準は「価格」のウエイトが高まっている。最近店頭で見かける「甲乙混和酒」は、コストの安い乙酒をブレンドすることで、価格競争力をつけた。主に大手酒類メーカーが開発しているが、「味も良くなってきている」(本格焼酎メーカー)と、新たなライバルの出現に警戒する。選択肢が広がることは消費者にとってメリットとなるが、判りにくい状況となっているのも確か。せめて晩酌ぐらいは「すっきり」と飲みたいものだ。

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