トピックス

最新調査結果はこちら

【 自動車は補助金がないと売れないのか 】

2010年12月3日

 エコカー補助金制度が終了して2カ月が経過した。(社)日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた2010年11月の登録車新車販売台数は20万3,246台(軽自動車を除く)にとどまり、前年同月比30.7%の減少となった。2009年4月から始まった補助金制度は、開始4カ月後の8月から効果が現れ、実質終了直前の2010年8月は同46.7%増まで押し上げた。しかし制度終了直後の10月は同26.7%減に転じ、2カ月連続の2桁減となった。予想されていたとはいえ、補助金が切れた途端に業界は先の見えないトンネルに入ったのだ。

 もう少し詳しく見ると、補助金対象車種が多かった小型車は同40.1%減とより大きく影響を受けている。減税とあわせると20〜40万円近く安く買えるメリットを失い、車を買いたいという欲求も同時に色あせたのだろう。ところが補助金や減税とはあまり縁がなさそうな「Mercedes-Benz」も10月は同4%減となっているし、「Audi」は同20%減(日本自動車輸入組合調べ)。補助金効果が無かったとは言えないが、事の本質はもっと他にもありそうだ。

 2009年の自動車販売台数はリーマンショックの影響で前年比9.1%減の292万1,085台となった。ところがリーマンショック前である2007年でも実に同7.6%も減っており、過去10年間においても、わずかに2003年だけが1.5%増になっただけで、あとは年々減り続けているのである。もう少し遡ってみると、バブル崩壊による景気悪化が始まる直前の1992年では533万3,784台が売れていたので、この20年近くで4割近くも減少していたことになる。自動車の販売動向で、前年実績比ばかり見ているとなかなか見えてこないが、国内の自動車販売台数は確実に減っていたのだ。

 若者の自動車離れや、嗜好の多様化が国内市場の縮小を招いているとの説はよく聞く。警察庁のデータでは、2009年の指定教習所卒業生は02年と比較して27.0%も減少している。また35〜39歳の免許取得者人口は933万人をピークに、若年層ほど大きく減少する傾向が続いており、少子化に加え、免許離れも進行しているようだ。一方で「クルマが売れないのは、買わないのではなく、欲しい車が無いからだ」といった声もよく聞く。成功例としてイタリアの高級車「Ferrari」はこんな環境でも売れ続けている事実を引き合いに出す記事も多いが、今年ピークの販売数だった10月でも65台(日本自動車輸入組合調べ)、この大きな自動車離れの波を変えることは難しそうだ。
 自動車メーカー各社は、海外シフトや、拠点の集約に動く。2万5,000社とも言われる国内自動車部品メーカーは、よりいっそう厳しい時代に突入することになる。

今月のトピックス・主観客観に戻る

最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.