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【 どうなる2011年 】

2011年1月11日

 「卯年は跳躍の年」といわれる。過去を振り返っても株価が上昇するなど、景気が上向くケースも多いことから、新聞、テレビでは年後半に期待をかける財界人のコメントも多かった。企業倒産で言えば、1999年では前年比19.4%の減少、またその前の87年では実に27.6%の減少と、確かに卯年は「倒産の少ない年」となっている。しかし、中小企業を取巻く環境は依然として厳しい。5年ぶりに「倒産が少なかった」2010年だが果たして2011年はどのような年になるのか。

 2010年の企業倒産は「緊急保証制度」と「金融円滑化法」による金融支援に加え、「エコカー、エコポイント」などの経済対策で、約1割の減少となりそうだ。しかし、2008年10月から導入された「緊急保証制度」は今年3月に打ち切りが決まっている。従業員20人未満の零細企業への支援は一部継続されるものの、4月からは貸手である銀行側が20%のリスクをとる「責任共有制度」が始まる。当然審査が厳しくなり、リスクの高い中小企業は従来のように借りられない事態が増える可能性が高い。前回の中小企業金融安定化特別保証制度が終了した2000年は2割以上も倒産が増加したのも注目すべき点だろう。

 また2009年12月から始まった「金融円滑化法」は3月の期限が1年間延長される。借入金の元本返済猶予により、資金繰りが改善した中小企業は約30万社を超えていると推測されるが、猶予期間中に経営そのものが改善した企業がいったいどれほどあるのか。制度開始から1年が経過し、「実抜計画」(実現性の高い抜本的な経営再建計画)の乖離が大きな企業が今後の焦点となりそうだ。それとは別に、「金融円滑化法」の適用を受けないシンジケートローンや、社債の債権がマーケットに売りに出され始めており、返済が困難となった中堅企業が、すんなり返済猶予などのリスケを受けられないケースを懸念する声も聞かれる。

 円相場は年初から、やや落ち着きを取り戻す展開だが、アメリカの金融政策次第では、また、さらなる円高もあり得るとの見方も多い。新興国向け需要が回復したものの、円高によるメーカーの海外シフトによる空洞化で、下請け企業の業績悪化はさらに進むことになる。円高の影響により倒産した企業はこの2年間で約3倍に膨らむなど、予断を許さない。また数千社の中小企業が導入しているといわれる「為替オプション取引」による損失も、この為替水準ではまだ続く。
 さて2011年が跳躍の年となるには、いくつかの困難なハードルを越えてからとなりそうだ。

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