トピックス

最新調査結果はこちら

【 復興と雇用 】

2011年4月5日

 震災、津波の被害と長引く原発問題で、復興への糸口がなかなかつかめない被災地域。ライフラインも一部では回復したものの、いまだ手付かずのところも多い。そんななかで衣・食・住の確保が急がれているが、次に問題となるのが、「職」すなわち雇用だと指摘されている。阪神・淡路大震災と違い、今回は以前の居住地に家を再建できない可能性がある地域は、移住を余儀なくされるという。また原発の被害も収束するまでにはかなりの年月を見ておかなければならない。当然、被害に対しての補償などは手厚くなされなければならないが、生活復興という意味では雇用の確保が大きな課題だろう。

 そこで阪神・淡路大震災のおこった1995年以降、被災地域である兵庫県の企業業績を振り返り、復興需要と企業の業績を調べてみることにする。これは企業の業績が上向けば、新たな雇用が生まれるであろうとの見方からである。集計は帝国データバンクの企業データベース「COSMOS2」の売上高を業種別に集計したものを抜粋した。。

 まず兵庫県全体では95年(1月〜〜12月)の売上高合計は42兆3,518億円で前年比1.7%増となった。震災は1月17日だったので、ほぼ震災後の1年の状況としてみても、プラスで推移したことになる。これは県内GDPの数値を見てもほぼ同じ傾向のデータが出ている。翌年96年では売上高44兆5,417億円で同5.2%増と3.5ポイントも増加した。最初に動き出したのが「建設業」で95年は売上高3兆5,316億円で同1.7%増、96年は4兆56億円で同13.4%増と全業種中最大の伸び率を見せた。震災後2年間の96年までは売上高1億円未満の零細業者が二桁の伸び率で推移しているが、その後は100億円以上の中堅、大手が増加しており、住宅から商業施設、インフラへとシフトしていた状況が推測される。もちろんこれに付随して、建築用建材、生コンなどの製造業者は売上を倍増させているケースも見られた。

 次いで2番目に増加したのが小売業で95年は3兆812億円と同0.5%のマイナスとなったが、翌96年は3兆3,085億円と同7.4%の大幅増加となった。なかでも目立つのは自動車のディーラーで軒並み20%以上の増加がみられた。震災で被害を受けた車の買い替え需要と見られるが、阪神間の大動脈であるJRや私鉄各線が被害を受け、不通になったことも要因のひとつだろう。また家電小売、情報機器も大きく伸ばした。加熱や調理が不要なパンや惣菜メーカーも伸び率が高い。

 このように震災後の消費は特徴的な動きを見せていたのだ。復興に向けての雇用は、こういった企業、業界のマッチングが必要であろう。被災地の一日も早い立ち直りを願うばかりだ。

今月のトピックス・主観客観に戻る

最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.