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自転車ブームは続くのか

2011年10月5日

 首都圏では先の大震災に続き、台風12号でも公共交通機関の脆弱性が改めて露呈した。首都圏に勤める人たちにとって、帰宅難民とならないためにも、非常時の「足」の確保は重要となっているのだ。そこで注目を浴びたのが「自転車」。震災当日は、自転車店には行列が出来るほどの売れ行きで、在庫を完売したところも多かったと聞く。さらに、節電、省エネ、健康ブームも加わり、世の中は自転車ブームに沸いている。「ジテツー」(自転車通勤)といった新語も現れ、新たなブームの到来と言える。

 自転車販売でトップの規模を誇る、東証1部上場のあさひ(大阪市都島区)の2011年2月期における自転車販売実績は前期比9.4%増の191億4,900万円となった。震災以降の6カ月の全店売上高は2ケタの増加が続いていた。客単価のデータをみると、震災当月の3月は前年比121.5%と唯一2ケタ増となっている。低価格車が売り切れたのが「普段買えない高級車」を買う口実になったという話を検証するようなデータとなっている。

 デフレが叫ばれる昨今だが、自転車の世界は逆だ。自転車産業振興会の「自転車国内販売動向」によると「シティ車」では2万円台までが52%と過半数を占めているが、10万円以上の構成比が7%→8%→10%と3年連続で増加傾向が続いている。高級化をけん引してきた「スポーツ車」と呼ばれるレースなどに使用するタイプを含むカテゴリーだ。2010年度は頭打ち傾向が見られたものの、10万円以上が33%と最も多く、5万円以上で58%と半数を超えている。

 しかし、これらの自転車はほとんどが「輸入品」である。2010年度の国内向け自転車生産比率では約90%が輸入だ。完成車は年間840万台が輸入され、97%が中国製となっている。高級自転車は主にフレームとホイル、クランク、ギア、ブレーキを別々に組み合わせるケースがほとんど。フレームの輸入実績では、人気ブランドを製造するフランスが15万台(前年比26.2%増)、イタリアは39万台(9.3%増)といずれも増加を示した。

 このように、市場の拡大を続ける自転車業界だが、逆風もある。先日、タレントがブレーキの無い「ピスト」と呼ばれる競技車を公道で走らせた容疑で摘発されるといった報道がなされた。自転車にかかわるルールの教育、徹底もさることながら、ブームで乱立する販売店側の問題も大きい。
 災害にも、エコにも、健康にも良いとされる自転車をブームで終わらせてはもったいない。

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