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「カメラ女子」は業界を救うのか

2011年11月4日

 「写ガール」「女子カメラ」「フォトGaR」、いずれも女性向けカメラ雑誌だ。巷では「カメラ女子」と呼ばれる若い女性が、シャッターを切る姿が確かに目に付く。背景にはデジタルカメラの高機能化で誰でも簡単にプロ並の写真が撮れることと、コストダウンが進み、かつての高級機と同じ性能のカメラが手軽に使えることなどがあげられる。紅葉シーズンで、撮影意欲も高まる芸術の秋。ブームが期待されるカメラ業界事情をのぞいてみた。

 CIPA(カメラ映像機器工業会)がまとめた2010年のデジタルカメラの総出荷台数は過去最高の1億2,146万台で、この10年間で約10倍に伸びている。
 ところが、日本国内に限れば1,057万台にとどまり、ピーク時の2008年と比べて約5%の減少と、やや頭打ちのデータとなっている。どうもこれは、日本市場における若者のカメラ離れが影響しているようだ。デジタルカメラ購入者の年齢別構成比を見ると、29歳以下では2010年の構成比は12.2%と、比較可能な2002年の21.8%からすればほぼ半減となっている。一番の要因は携帯電話、スマートフォンなど「写メ」の普及だと指摘されている。現在では携帯電話でも1,000万画素は当たり前で、またいちいちパソコンに接続しなくとも、ブログ等へのアップロードが出来る利便性はデジタルカメラには無いものだ。ある静止画投稿サイトでは、従来国産一眼レフカメラの撮影データが多かったところが、最近ではスマートフォンに逆転されたといったニュースもある。

 こうしたなか「カメラ女子」を売り上げ拡大のけん引役とすべく、ミラーレス一眼レフで先行したオリンパス、ソニー、パナソニック3社ともCMで若手女優を登用するなどの戦略をとり、レンズ交換式デジタルカメラではこの6年間で構成比は約7倍の14.8%となっている。

 ブームの広がりで、巻き返しを図りたいカメラメーカー各社だが、これに水をさす形となったタイの洪水問題。売れ筋のレンズ交換式デジタルカメラの販売延期など、年末商戦を前に、手痛い事態となっている。高機能化が進む一方で、急速な低価格化が海外シフトを加速させた。2010年の総出荷平均単価は1万3,500円で、10年前の4万2,300円と比べて約3分の1に値下りしている。低価格競争が進み、タイ、中国などへの生産シフトは避けられなかったのだ。
 TV、PCなど新興国の攻勢が厳しい電子機器市場で、唯一世界で通用する「日本ブランド」のデジタルカメラ。スキャンダルが世界からフォーカスされている場合では無いだろう。

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