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どうなる2012年の企業倒産

2012年1月11日

 円高、欧州金融問題、増税、電力供給問題。2012年の日本経済は引き続きさまざまな問題が山積している。未曾有の被害をもたらした東日本大震災の影響による企業倒産も、震災から10カ月となる1月4日現在で510件を数えた。ここ最近は落ち着いているものの、毎月50件近くのペースで推移している。

 さて、復興元年となる2012年の企業倒産はどうなるのか。大きなポイントは2つ。
 一つ目が倒産件数の抑制に大きな役割を果たした「中小企業金融円滑化法」の行方だ。年の瀬も迫った12月27日金融庁は大臣談話として再延長する考えを明らかにした。2009年12月の施行以来、約30万社と見られる利用企業が、元本返済猶予等のリスケジュールにより延命措置が図られている。金融庁の本音で言えば今年度末で終了したかっただろう。
 「隠れ不良債権」と言われる円滑化利用先債権をこのまま先延ばしすることは避けたい。しかし、被災3県(岩手県、宮城県、福島県)だけでも約定返済が停止している債務者数(条件変更契約済みを含む)は1万8,000社を超えており、事前に進めていた「資本性借入」や「ABL」(動産担保融資)などで、解決できる状況にはないと判断したとみられる。

 確かに被災地の状況は、復興需要や、支援政策効果もあり、東北地区の企業倒産は2011年6月以降6カ月連続して前年同月を下回っている。特に建設業は2000年以降最少の2件(11月実績)となるなど、資金繰りの改善は明らかだ。
 ところが、被災地以外の状況を見れば「円滑化利用後倒産」は既に167件(2011年1月〜11月)で、2010年の7倍を越えている。これから予想される「元本返済猶予」に加えて「利息減免」にまで及ぶ企業の増加は、倒産件数の増加に繋がるであろう。

2つ目は「円高倒産」の増加。元請企業の海外移転にともなう取引の縮小や、輸出の減少に加え、いまだに為替デリバティブの損失が止まらない企業も多い。2012年も円高傾向が解消しないとなれば、さらに加速する可能性が高い。

これ以外にも公共工事の被災地集中や、増税・年金問題による消費下押し、電力料金値上げなど、中小企業を取り巻くリスクは依然として存在している。「今、目の前にある課題」に対し「何もしないリスク」を恐れるという野田政権の姿勢自体は的確。日本再生の1年となることを期待するしかない。

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