トピックス

最新調査結果はこちら

格安航空会社(LCC)時代がやってきた

2012年3月5日

 ついに国内線初となる格安航空会社(LCC)、ピーチアビエーションが運行を開始した。離着陸コストが安い関西国際空港を拠点に、新千歳、福岡を結ぶ。徹底したコスト削減を武器に、キャリアと真っ向勝負を挑むが、株主のANAとの競争でもあるだけに、今後の行方は気になるところだ。

 就航記念キャンペーン価格は250円と、超格安の価格設定で話題を呼んだが、果たしてどの程度の料金なのか。関西国際空港〜福岡空港の設定をみると、3,780円〜1万1,780円と確かに安い。しかし「座席指定なし」「荷物預け有料」など、サービス有料化の内容となっている。ただ、これだとグループで旅行に行く場合、離れた席では気分が出ない。そこで座席指定が無料の「ハッピーピーチプラス」の設定となり5,480円〜1万5,780円になる。

 一方ANAの場合、関西国際空港〜福岡の設定は20時台の1便だけ。その点では競合はなさそうだが、料金はそうでもない。3月25日から始まる「旅割55」では9,000円の設定もある。また既存の航空会社が運航し、便数も多い大阪〜福岡の場合でも1万900円からと、LCC効果なのか割安価格をアピールしている。また気をつけたいのは関西国際空港へのアクセスコスト。新大阪から55分で結ぶJR特急「はるか」は2,980円、空港リムジンバスを利用する場合でも1,500円を見なくてはならない。都心に近い大阪空港とのアクセスや、料金設定を詳しく調べると、競合というよりも、棲み分け、使い分けといった新たな選択肢が生れたと言えよう。

 夏にはJAL系の「ジェットスター・ジャパン」、ANA系の「エアアジア・ジャパン」も参入し、日本の航空業界は格安航空時代に突入する。これら格安航空会社の出現で、新たな航空旅客需要の掘り起しが期待されるが、「国内定期航空輸送実績」(国土交通省)によれば、旅客数ベースで前年度比2.0%の減少となっている。また「平成22年度路線別輸送実績」(同)によると、関西国際空港〜福岡は上位50路線にも入っていない。各社が運行する、大阪〜福岡が30位(21年度28位)、75万5,569人(前年度比8.2%減)と減少傾向にあることがわかる。ドル箱と呼ばれる東京〜新千歳でも前年度比2.3%減となり、上位5路線中で増加したのは東京〜沖縄のみといった状況だ。

 インフラの整備と両軸の関係にあるのは、各地方の魅力的なコンテンツ。都市機能の分散、観光資源の開拓などが、今後の格安航空時代の未来に大きな影響を与えそうだ。

今月のトピックス・主観客観に戻る

最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.