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進まない復旧・復興への企業からの不満

2012年6月5日

 震災からの復旧・復興への大きな足かせとなっている二重債務問題。震災前からの事業や設備などの既存ローンに加え、再生のため新たな融資を受けることで生じる二重債務問題の早期解決に向けての政策が打たれてはいるが、課題も多い。

 震災からの復旧を急ぐための課題となっていた二重債務問題への対応策「二重債務問題への対応方針」が2011年6月に発表されてから1年が経過した。その間、地域金融機関、中小企業基盤整備機構、県などの共同出資により、2011年11月に岩手産業復興機構、茨城県産業復興機構、12月に宮城産業復興機構、福島産業復興機構、2012年3月に千葉産業復興機構が設立された。しかし「産業復興機構」は元利金の返済を猶予するなどの残債猶予が5年間と短く、事業再生の可能性が高い事業者に限られるという側面は否めず、その実行案件は数えるほどしかない。

 政府は、こうした復興の遅れに対応するため、小規模事業者向けに「東日本大震災事業者再生支援機構」を設立した。同支援機構は被災した農業・水産業者、医療機関などの業種を対象に、中堅以下の小規模・零細事業者の既存ローンを買取り、返済免除期間も最長で15年と長く設定している。また「債務免除」「支払い猶予」「利子の減免」などの旧債務の整理や、「専門家の派遣・助言」「債務の保証」「出資」「つなぎ融資」などで新事業を支援して、事業の再生を支援する。しかし業務の開始は2012年3月5日からと、すでに震災から1年たっており、遅れを問う声も多い。

 TDB景気動向調査には、企業から「東日本大震災復旧・復興予算に関する復興庁のメンツ争いによる実施遅れと政局の混乱による日和見的な行動原理による執行遅れで、公共事業予算も大幅に執行が遅れると危惧する」(建設用金属製品製造)や「災害復旧事業等に一部偏っている感がありバランスが崩れている」(土木工事)など、復旧・復興対策の遅れや、その偏りへの不満の声が寄せられた。

 働く場がなければ、その地域は生活の拠点とはなりえない。企業支援の遅れは、復旧・復興の遅れとなる。早急な復旧から復興に移行するためにも、事業の支援は早急に進めるべきものである。
 今後も起こりうるだろう災害に対する備えという面でも、今回の過程を轍にして、スピード感を持った復旧・復興が、被災地の住民や企業から望まれていることを忘れないで欲しい。

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