トピックス

最新調査結果はこちら

温度差

2012年7月4日

 政府は、4月に被災者の自宅再建や復興住宅の建設の遅れから、東日本大震災の被災者向けに民間アパートなどを借り上げた“みなし仮設住宅”や、仮設住宅の入居期間を原則2年から1年延長し3年とした。こうした仮設住宅は合わせて全国で約13万戸あるという。一方、自治体に貸与した仮設住宅用地の地権者や、民間借り上げ住宅の貸主は、当初の契約が切れ次第、土地の返還を求めており、仮設住宅の住民の住みかが問題となっている。

 また、被災地は地価下落にも見舞われている。東日本大震災の影響が反映された2012年分の路線価(2012年1月1日算定時点、国税庁)をみると、全国約36万地点の標準宅地の増減率は平均で前年比2.8%減と4年連続の下落となった。東京、大阪、名古屋など大都市の下げ幅は縮まったが、東日本大震災の被害の大きかった宮城(3.8%減)、岩手(6.0%減)、福島(6.7%減)は大幅に下落している。原発事故の警戒区域、計画的避難区域となった地域は調査不能でゼロ評価となった。

 一方、衆議院議員やその家族が入居する衆議院赤坂議員宿舎(竣工2007年02月、地上28階地下2階、総戸数300戸、港区赤坂2丁目)の家賃は、経年劣化を踏まえた賃料見直しにより4月から約8千円引き下げられ、1室当たり8万4,291円(全室3LDK、約82平米)となった。1平米当たり約千円と破格だ。類似物件として、近隣で竣工時期の近い港区赤坂5丁目所在の賃貸マンション「赤坂 ザ レジデンス(竣工2008年1月、地上21階地下1階建)」の賃料をみると、67平米で家賃は約40万円、1平米当たりは約6千円となり議員宿舎は近隣の約6分の1の相場。ちなみに同賃貸マンションの駐車場料金の平均価格が月8万4千円と議員宿舎の家賃は駐車場料金並みに優遇された価格となっている。

 被災地では二重ローン問題を抱えるだけでなく、土地資産の目減りも著しい状況に追い込まれている。これでは被災地の住民と国政をつかさどる政治家との間に温度差が生じないはずがない。議員宿舎の高所からでは、今後の日本をどのように導いていくのか壮大な見通しは立たない。政治家はもっと現場に足を運び、声を聞き、早急な対策を打つ必要がある。

今月のトピックス・主観客観に戻る

最新調査結果はこちら

このページのトップへ

このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.