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根強い国内投資意向

2012年12月5日

 『光陰矢のごとし』――――月日が経つのは早いもので、あっという間に12月。今年も残すところ1カ月となってしまった。にもかかわらず、政治は衆議院総選挙を控え混迷し、経済も円高の進行や海外経済の減速、隣国との国際問題などを背景に低迷を続け、わが国は年初に期待された明るい展望を描けずに2012年という年を過ぎてしまってきている。

 ただ、こうしたなかでも、国内の投資動向は減退していない。
 新聞記事などでも連日のように企業の海外進出、海外企業の買収話が話題となっており、企業の目が海外に向いているのは明らかである。
 その一方で、経済産業省が10月に発表した「平成24年上期(1月〜6月期)工場立地動向調査結果(速報)」によると、国内立地件数は469件となり、前年同期比では16.4%の増加となった。もちろん、前年は3月に発生した東日本大震災や原発事故、原発停止による電力の供給不安など多くの問題が発生しており、単純に前年同期比で増加しても投資意向が高まったとみるには疑問があるかもしれない。
 しかしながら、今年度のこの立地件数は震災前の平成22年度の同期と比較しても、33.2%増加しているのである。リスク分散や長引く円高を背景に、前述のとおり海外進出を検討する企業が増加しているなかでのこの結果は、企業の国内投資意向には依然として根強いものがあると言っても過言ではないのではないだろうか。

 こうした背景にはさまざまな要因があると推測される。平成23年度第3次補正予算で措置された「国内立地推進事業補助金」では一次・二次公募合計で510件が採択され、補助金額では合計約3,000億円が拠出されたが、こうした政策も一助となっているではないだろうか。同補助金事業は、東日本大震災を契機に産業の空洞化が加速するおそれがあることを鑑みて、国内の立地環境の改善を図りつつ、新たな投資を促進し、雇用を維持・創出することを目的としており、経済産業省では、一次・二次公募を合わせ「補助額の約6倍に及ぶ約1兆8,479億円の設備投資の呼び水となるほか、すそ野産業に対して毎年約6.7兆円の需要創出、すそ野産業も含めて約27万人の雇用創出効果が期待される」としている。

 もちろん、依然として先行きが不透明な経済環境の下では、こうした効果を単純に楽観視することはできない。しかしながら、こうした国の政策が民間の企業活動と効果的に結びつくことで国内経済を活性化させ、2013年に向けて明るい展望の兆しとなることを期待したいものである。

(志)


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